移籍後2試合目で初得点含む2ゴール。Kリーグ初挑戦で、なぜ天野純は早くも結果を出せたのか?
指揮官も「サッカーをよく知っている」と評価
まさに独壇場だった。
2月26日に行なわれたKリーグ第2節で、元横浜の天野純が所属する蔚山現代は敵地で城南と相まみえた。今季から韓国に渡った30歳のレフティは、スコアレスドローで終わった金泉尚武との開幕戦に続き、4-2-3-1のトップ下で先発。0-0で折り返した後半、躍動する。
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46分、左サイドからの攻撃で、エリア内でスタンバイしていた天野の目の前にボールがこぼれてくると、浮いたボールを自慢の左足で叩き、ネットを揺らす。嬉しい移籍後初得点は、チームにとっての今季初ゴールでもあった。
55分には巧みなターンで相手のファウルを誘い、PKを奪取。この絶好機で10番のヴァコが失敗した一方、天野は82分に鋭い動き出しから再び、PKを奪うと、今度は自らキッカーを務め、見事に成功させた。
試合は2-0で蔚山現代の完封勝利。韓国メディア『スポータルコリア』は「主人公は天野だった」と報じ、試合後の会見におけるヒーローの言葉を伝えた。
「勝利が必要な試合だった。アウェーゲームで簡単ではなかったけど、最終的には勝てたよかった」
天野はJリーグとKリーグの違いにも言及。「Jリーグと比べると、Kリーグはたしかにフィジカル面でもボールの奪い合いでも、より激しく感じている」という。
移籍後2試合目で早くもハイパフォーマンスを披露。「韓国に来る前に、蔚山現代の試合をたくさん見て、分析もした」。そのうえで「チームはパスサッカーをスタイルとしていることは分かっていたので、その部分にフォーカスして練習してきた。そのおかげで早く馴染むことができた」と語る。
さらに、過去にはFC東京や大宮ほか、昨季までの3シーズンはG大阪でプレーし、ともに今季から蔚山現代に所属するチームメイトの存在も大きかった。 「キム・ヨングォンがJリーグや他のKリーグのサッカースタイルについて、いろいろと教えてくれて、すごく助かった」
この日の目覚ましい奮闘ぶりに、本人が一番驚いているのかもしれない。 「毎試合、点を取るつもりで韓国に来たけど、今日2点取るなんて考えもしなかった」
かつて平塚(現・湘南)や柏でプレーした元Jリーガーのホン・ミョンボ監督は「長所が多く、サッカーをよく知っている選手」と天野を評価。3月1日に予定されている3節・水原戦での活躍にも期待がかかる。