【J1採点&寸評】浦和0-1G大阪|「内容からすると浦和さんの試合だった」とガンバ指揮官。勝点3の立役者となったのは?
浦和――新加入の大畑は攻撃面で存在感を示すも45分で交代に
[J1リーグ2節]浦和0-1G大阪/2月26日(土)/埼スタ
【チーム採点・寸評】
浦和 5
前半の試合内容が良かったからこそ、次々に決定機を外し続けて勝利を逃した展開は低評価になる。前の試合に10人で30分以上プレーしての中2日で後半に疲労が厳しくなるのが予想できただけに、前半で試合を決めるチャンスを逸したのは試合運びとして拙いもの。ただし、改善が必要なのは最後のゴール前だけなので、いろいろと考えすぎて自分たちから崩れる事態は避けたい。
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【浦和|採点・寸評】
GK
1 西川周作 6
失点場面は味方に当たってコースが変わったシュートでタイミングが狂ってしまう不運に。これまでのゲームよりもビルドアップへの関わりには余裕があり、相手を裏返すキックも悪くなかった。
DF
24 宮本優太 5.5(86分OUT)
公式戦の初スタメンで右サイドバックに。スタミナを生かしてアップダウンできる長所はあったが、周囲との関係性はまだまだで本人も「右サイドから打開できずに左頼りになった」と反省。もう少しチャレンジングなプレー選択もできるはず。
4 岩波拓也 6
失点シーンは不運な部分が強い。この試合では相手の最終ラインを引き出した時にロングフィードで逆サイドや背後を狙うボールで良い部分を見せた面が多い。
28 アレクサンダー・ショルツ 5.5
彼だけの責任ではないが、岩尾が自分の前に入ってボールを捌くことが多く、持ち味であるドリブルでのビルドアップが出せていないところも。宝の持ち腐れになっている感があるので、チーム内で解決したい。
44 大畑歩夢 6.5(HT OUT)
2試合連続スタメンで、前半のみ出場。左サイドから効果的に攻撃に絡んで決定機につながるラストパスも供給。90分の出場に耐えるコンディションに戻していけば、より大きな戦力になる。
MF
27 松崎 快 5
右サイドハーフとして2試合連続出場だが、前半立ち上がりに2回の決定機を逃す。プレーの質は低くなく、ゴール前に良いタイミングで絡んだからこそ目立つ部分だが、そのシュート失敗が試合結果に大きく影響を与えたことを重視した。
3 伊藤敦樹 5.5
チーム全体が良い内容でプレーしている前半では、唯一その流れに乗り切れていない面が見えた。3人目の動きで前に出る長所がこの試合ではあまり出なかった。
19 岩尾 憲 5(81分退場)
プレーメーカーとして多くボールに絡んでコントロールする良さを発揮した。チームの中心に君臨した一方、前半の警告は味方のミスをカバーしたものだが、後半のものは位置や状況から1枚持っている選手に必要なプレーだったか疑問が大きい。
14 関根貴大 5.5
前半に2回あったペナルティーエリア内でのチャンスはどちらか決めておきたかった。サイドからの存在感を示した一方、さすがに後半の半ば以降は疲労を隠せないプレーになった。
浦和――前線のコマ不足が影響? 江坂はプレー精度を欠く
FW
8 小泉佳穂 6.5(86分OUT)
今季初めて長いプレータイムを得たが、顔を出す場所やタイミングが絶妙なのは相変わらず。あらためてチームにとっての必要性を示した。判定への不満や相手選手との対立で時間を使ってしまう面は改善したい。
33 江坂 任 5
前線のコマ不足で出場が続き疲労があるのか、珍しくプレー精度を大きく欠いた。20分にゴール前でフリーのヘディングを外してしまうと、クロスが大きくずれていくなどらしくないプレーに終始。
交代出場
DF
6 馬渡和彰 6(HT IN)
周囲と連係が噛み合わないところも見られたが、個人としては正確なキックで良さを見せた。66分のフリーキックは相手GKを褒めるしかないもの。
MF
22 柴戸 海 -(86分IN)
10人で先制された後の投入。できることは多くなかった。
DF
13 犬飼智也 ―(86分IN)
最前線のパワープレー要員での投入。PK奪取かと思われた場面は狙い通りだった。
監督
リカルド・ロドリゲス 6
相手の間を取りながら前進していき決定機を作り出す前半は、試合に向けた準備の良さを示すもの。それを決めるかどうかの責任を監督には問えない。メンバーに制限がある中で交代策での戦況改善はできなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。 ※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。 ※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
G大阪――「内容からすると浦和さんの試合だった」と指揮官
【チーム採点・寸評】
G大阪 6
指揮官が「内容からすると浦和さんの試合だった」と話したように、相手が決定機を次々に外してくれたことでチャンスが舞い込んだ試合。とはいえ、こうした展開でも勝点3を得たことは大きい。
【G大阪|採点・寸評】
MAN OF THE MATCH
GK
25 石川 慧 7
押し込まれる苦しい展開の中で耐えた中心人物。特に66分に馬渡のFKを止めたファインセーブは1得点に値する価値がある。
DF
3 昌子 源 6.5
チーム全体が機能していない状況で、個人のところでよくしのいだ。54分のクロスに触ったシーンは、抜ければほぼ1点の場面で値千金のもの。
5 三浦玄太 6
チーム全体の守備が機能しない点で改善したい点は多いが、ゴール前の難しい場面で最後にはなんとか身体を寄せるなど、できる最大限のことをしていた。
13 高尾 瑠 5
彼だけでなく右サイド全体ではあるものの、切り崩されて決定的な場面を作られる回数があまりにも多かった。周囲の使い方を含めて立て直したい。
24 黒川圭介 5.5
立ち上がりに対面の松崎を見失って内側に入られて危険な場面を迎えた。その後は徐々に立て直したが、良さを出したというよりも耐えた試合に。
26 柳澤 亘 5(HT OUT)
自分のサイドからかなり崩されていただけに、ハーフタイムでの交代はやむなし。自身が下がった後半の修正が上手くいっただけに、その点が際立ってしまった。
G大阪――サイドの守備に奔走したのは宇佐美。起用法としてはいかがなものか?
MF
6 チュ・セジョン 5.5(61分OUT)
前がハマらず、出ては背後を突かれ、残れば入り込まれる悪循環。球際を生み出すことができずに振り回され、良さを出せなかった。
10 倉田 秋 5.5
マイボールが安定せずに相手ボールの時間が長くなると、このポジションで良さを出すのは難しかった。前半のようにプレスがハマらない中でも、経験ある選手だけに周囲をもう少し上手く使うことに期待したい。
8 小野瀬康介 5
シャドーに入った前半は、特に相手ボール時に誰にどうやって制限をかけるのかが不明瞭で、効果的なプレーができなかった。後半、慣れたポジションに戻って安定感を取り戻したが、PKになりかけた犬飼への接触は全く必要ないものだった。
FW
9 レアンドロ・ペレイラ 4.5(HT OUT)
孤立した状態で無理に追っては諦める姿を見せ、縦パスを受ける場面でも相手と戦いきれず。モチベーションが下がっていることを示すようなリアクションもあり、チームへの影響を考えれば交代は妥当だった。
39 宇佐美貴史 6(80分OUT)
偶発的なものであっても前を向ける形になったら、最も何かを起こせそうな仕掛けを見せた。相手ボールが長い中で、サイドの守備に奔走させるのが良い起用法なのかどうかは疑問に。
交代出場
FW
37 山見大登 6.5(HT IN)
最前線に投入され、敵最終ラインのビルドアップに対して忠実なプレスをかけたことでリズムを作らせなかった。戦況の立て直しに大きく貢献。
MF
48 石毛秀樹 6.5(HT IN)
山見に連動した動きで浦和の左サイドからの前進を減退させた。チーム全体がもう少し機能してくれば、攻撃で良さを出す場面も増えるはず。
MF
29 山本悠樹 6(61分IN)
浦和の運動量が落ち始めた時間帯に、マイボールを預けられる場所ができたのは大きかった。決勝ゴールの場面ではラストパスを通した形に。
MF
14 福田湧矢 6.5(80分IN)
投入直後に相手が10人になり戦況が好転。ゲーム展開の変わり目を掴んで攻撃参加し、ミドルを放ったことが好結果に。「シーズン序盤で取れたのは自信になる」と喜んだ。
DF
2 福岡将太 -(90+4分IN)
試合の最後に後ろの人数を増やすべく投入された。そのまま試合を終えた。
監督
片野坂知宏 6
この試合を単体で見れば、機能していない前半をハーフタイムで立て直した形に。まだまだ戦術の浸透には時間が掛かる印象が顕著で、連戦が続く中でもなんとかチームの機能性を上げたい。