ガンバ大阪「OB監督の下で再生へ」新カタノサッカーで一気の浮上を狙う【J1全18チーム・2022年「理想布陣」タスクと達成難度】(17)
2022年のJリーグ開幕が迫ってきた。各チームは初戦に向けて仕上げに入っていこうとしている。
目標を達成するには、明確なゴールの設定と、そこに至る道筋の逆算が必要だ。開幕戦は確かに大事だが、リーグ戦の1試合に過ぎず、その後もチームの歩みを止めないことが肝要だ。
ぶれなく前進するために必要なJ1の各チームが追いかける「理想」と、そこにたどり着くための道のりを探る。
■不可抗力に泣いた2021年
ガンバ大阪にとっては、まったくもって納得のいかない2021年シーズンだった。前年の2位だったチームが、13位まで急落したのである。
だが、本当に納得いかないのは理由である。ピッチ内ではない不可抗力による問題に振り回されたのだ。新型コロナウイルスの陽性反応者が出たとして、トップチームが活動できなくなったためである。ただでさえ大変なACL参戦に大幅なスケジュールの変更が重なったのだ。
だが、見方を変えれば、よくそのような大アクシデントに見舞われながらも、13位でこらえたものである。皮肉な形で地力の高さを証明した、とも言えるのだ。
2018年の9位、2019年の7位ときて、2020年に2位につけたチームだ。コロナ禍でのつまずきはあったものの、トップ5は当然視野に入れるべきだろう。
■現在のG大阪にぴったりの監督
G大阪は、新監督の下で再生する。導き手は、クラブOBでもある片野坂知宏監督だ。
その再生手腕は、大分トリニータで証明済みだ。J3からスタートし、クラブの経営規模を鑑みれば信じられないスピードでJ1へと到達した。昨季こそ涙をのんだものの、J2降格のなかった2020年シーズンも11位という通常ならば余裕で残留できる順位でフィニッシュし、3シーズン連続でJ1を戦ったのだ。
現在のG大阪に、うってつけの監督と言えるかもしれない。前述の通りに地力があることは、このオフの補強がそれほど大きくなかったことが物語る。選手一人ひとりを立ち直らせることで、十分にチームは上昇できるというわけだ。
大分で展開したサッカーをそのまま再現しようとはしないだろうが、「サッカーの方向性」「戦術」というエッセンスは多いにつぎ込むことだろう。新しい「カタノサッカー」を存分に見せつけてくれるはずだ。
フォーメーションは3バック。ここ数年のG大阪に親しみのあるシステムでもある。
選手が抜けた中盤の底とDFには新戦力を当てる必要があるが、それ以外は既存の戦力で戦える。
移籍1年目だった昨シーズン、5ゴールに終わったレアンドロ・ペレイラも再生計画の対象となる。チーム全体の状態が上がってくれば、自然とゴールはついてくるはずだ。かつてのアーセナルに招かれたウェリントン・シウバも、まだ老け込む年齢ではない。同様に、ロシアで不完全燃焼だった齊藤未月も、たまったフラストレーションをプレーへと昇華させようとうずうずいていることだろう。
チームの状況にぴったりの指揮官を招へいし、リベンジの用意は万端整ったと見ていいだろう。
タスク:「トップ5」
達成難度:★★☆☆☆