【2022シーズン「J1注目選手10人」とフォーメーション】(2)「浦和レッズ」3か年計画ラストイヤーを彩る岩尾憲・「名古屋グランパス」中盤の支配者レオ・シルバ・「鹿島アントラーズ」ベルギーで万能型FWへと進化した鈴木優磨・「ジュビロ磐田」完全移籍に移行した遠藤保仁!
いよいよ2022シーズンのJリーグが開幕を迎える。編集部では、J1クラブに所属する注目選手10人を選出して紹介する。そして、そのチームの開幕節予想スターティングメンバーに組み込んで、フォーメーション図を作成した。
■「3か年計画ラストイヤー」を彩るリカルド・ロドリゲス監督の懐刀
3か年計画のラストイヤーを迎えた浦和レッズ。
リカルド・ロドリゲス監督を迎えた昨季は、リーグ戦は6位に終わったものの天皇杯で右と優勝。さらには先日の富士フイルムスーパーカップで絶対王者の川崎フロンターレを2-0で下すなど、高い完成度を見せつけた。
そんな浦和で今季注目すべき選手は沢山いて絞り切れないというのが正直なところだが、新加入の岩尾憲は間違いなくそのなかの1人だ。ビルドアップの中心として舵を取りつつゴール前でも仕事をできるこのMFは、ピッチ上の監督として振る舞って、チームのサッカーをもう1段階上のレベルに押し上げることができる。
中盤には柴戸海や伊藤敦樹ら強力なライバルがひしめくが、その実力を考えれば、いきなりのレギュラー獲得も十分にあり得るだろう。
■中盤の支配者が名古屋に加入
昨季のルヴァンカップを制した名古屋グランパス。
しかし、チームの堅守を築いたマッシモ・フィッカデンティ監督が退任し、さらには主力の米本拓司や前田直輝が移籍するなど、戦力ダウンが見込まれた。
それでも、セレッソ大阪のDFチアゴやサガン鳥栖のMF酒井宣福や仙頭啓矢などの実力者を獲得。なかでも注目を浴びているのが、鹿島アントラーズから加入したMFレオ・シルバだろう。
このブラジル人MFは、昨季まで中盤の底に君臨していた米本のように相手の攻撃の芽を潰しつつ、そこから一気にカウンターの起点になれる貴重な存在。日本での実績も十分で、5シーズン在籍した鹿島アントラーズ培った「勝者のメンタリティ」をもたらすことも期待されるところだ。
37歳とキャリア終盤に差し掛かっているが、開幕節のヴィッセル神戸戦では先発出場の可能性もあるレオ・シルバ。長谷川健太新監督のもと、名古屋でも中盤の支配者となれるだろうか。
■方向転換を迎える鹿島に日本代表FWが帰還
今シーズン、クラブ史上初めてヨーロッパの指導者を招へいした鹿島アントラーズ。新指揮官にはスイス人のレネ・ヴァイラー監督が就任した。
クラブとして新たな道を切り開こうとするこの重要なシーズンには、ベルギーから帰還したFW鈴木優磨に注目が高まる。日本に居た頃はフィジカルの強さが目立っていたが、シント=トロイデンではポジショニングの巧みさや動き出しの質が向上。
万能型のFWへと進化を遂げた男はクラブのレジェンドである小笠原満男が身につけた「40番」を新たに背負うことを選択した。
「鹿島イズム」を背負う25歳が持つ強いメンタリティは、若きストライカーの上田綺世や荒木遼太郎にも刺激を与え、チームを活性化するはずだ。CFのファーストチョイスとして、シーズン序盤からの大暴れに期待がかかる。
■国内最高のMFがJ1復帰の磐田に完全移籍
昨季のJ2リーグを制し、3シーズンぶりにJ1を戦うことになったジュビロ磐田。
新指揮官にはポジショナルプレーを採用する伊藤彰監督を招へいし、まずはJ1残留を目指す。
そして、その攻撃なサッカースタイルのなかで今季も中心になり得るのが遠藤保仁だ。長年在籍したガンバ大阪をレンタル移籍で離れておよそ1シーズン半磐田でプレーすると、今年から完全移籍に移行。
昨季は持ち前のアイデアとパスセンスで攻撃の中核を担い、リーグ戦35試合に出場。3ゴール5アシストを記録し、老いを感じさせないプレーを見せてくれた。
同じポジションには新戦力のドゥドゥやベガルタ仙台から復帰した上原力也など屈強な選手がいるものの、新シーズンも磐田の攻撃を牽引していくことは間違いないだろう。J1最多出場記録を保持する42歳のプレーに注目したい。