【G大阪】川崎戦で岩下敬輔とパトリックが一触即発。「小競り合いの真相」を当事者の岩下が語る SOCCER DIGEST Web 10月4日(日)23時58分配信

機転を利かせた宇佐美が、悶着に割って入る形で収束したが…。

 その“小競り合い”が起きたのは、前半終了の直後だった。

審判が前半の終わりを告げると、G大阪のCB岩下敬輔が自陣エリア付近から猛然とダッシュ。その先に立っていたのはFWパトリックだ。

岩下が体当たりするような形となり、怒りの形相で「もっと前線から追え!」といった大きなジェスチャーを見せる。一方、唐突に小突かれた形のパトリックも一歩も引かず、「うるさい!」とばかりに岩下の手を払った。

ともに憤怒し、言い争いをしながら控室へ向かう。時間にして十数秒。記者席にも聞こえてきそうなほどの悶着は、機転を利かせた宇佐美貴史が割って入る形で収束した。エースが仲裁に入らなければ、さらにヒートアップしていた可能性もあった。

なぜ岩下は、それほどまでに激怒したのか。その理由はこうだ。

「(守備のためにパトリックが)下がって来ているのなら、目の前の選手に寄せてくれないと。俺ら(守備陣)が行くわけにもいかない。やっぱり約束事を守ら ないと、もったいない失点が生まれてしまう。(川崎側にチャンスを)仕留めるだけの選手がいるのはデータから分かっているわけで、スカウティングの内容を 練習でどれだけやっても、試合でやらなかったらなにも意味がない」

G大阪は綿密にスカウティングし、3ボランチ気味のシステムで川崎対策を講じていた。しかし、パトリックが守備を怠り“規律違反”を犯したため、闘将の岩下がすぐにお灸を据えた、というのが真相のようだ。

岩下が激昂したのは、むしろチームの今後を思ってこそ。

 もっとも、ふたりともプロである。ハーフタイムの間に事態は収拾した。

「しっかり話をして、後半は(パトリックが守備の役割を)やってくれていた」(岩下)

サッカーでよくある場面と言ってしまえばそれまでだが、今後の日程を鑑みれば、岩下の行動にも頷ける。

川崎戦から中2日でナビスコカップ準決勝第1戦の新潟戦(10月7日、第2戦は同11日)が待っており、その間は代表組4人(宇佐美貴史、丹羽大輝、米 倉恒貴、東口順昭)が不在。さらにその後、14節の浦和戦(同17日)、ACL準決勝第2戦・広州恒大戦(同21日)と、過密日程のなかでタイトルの行方 を占う重要な試合が続くのだ。

小さなミスでも致命傷になりかねない。その意味で、問題点はすぐ解消すべきであり、守備のタスクをサボったパトリックに対して岩下が激昂したのは、むしろチームの今後を思ってこそであった。

「(パトリックが)ゴールを決めてくれて助かっているからこそ、やっぱりそこ(守備)はやってほしい部分。(CKからの)ゴールも彼の高さを活かすため、 僕らが潰れ役をやって、やっと追い付いた。それはチームとして狙いを持ってやっているわけだから、守備の部分も約束事としてやってほしいと思っている」

岩下が繰り返した言葉は“約束事”。昨季の三冠を支えたのは堅守であり、緻密かつ堅牢な守備組織があってこその偉業達成だった。ここにきてその土台が揺らいだだけに、岩下が間髪を容れずに“約束事”を確認させたのは当然と言える。

長谷川体制発足以降の全公式戦を含めて最多失点。「攻撃陣に申し訳なかった」(岩下)。

 試合後、岩下は攻撃陣に対して謝罪の言葉を口にしている。「3点以上取られたのは、本当に久々でした。3点取ってくれた攻撃陣に申し訳なかったと思いま すが、失点はミスが2個、3個と重なったものなので、そこは個々で修正できる。次も試合があるので切り替えてやるしかない」。

5失点以上は2012年16節の柏戦(●2-6)以来。今季はもとより、長谷川体制発足以降の全公式戦を含めて最多失点だった。“闘将”岩下を中心に改善を図れるか。三冠王者の真価が、今問われている。

■G大阪「第2ステージ最終節までのスケジュール」
10月7日(水)19:00/ナビスコ準決勝第1戦・新潟@デンカS
10月11日(日)14:00/ナビスコ準決勝第2戦・新潟@万博
10月17日(土)14:00/リーグ14節・浦和@万博
10月21日(水)19:00/ACL準決勝第2戦・広州恒大@万博
10月25日(日)14:00/リーグ15節・仙台@ユアスタ
10月31日(土)時間未定/ナビスコ決勝・相手未定@埼玉
11月7日(土)14:00/リーグ16節・広島@万博(※1)
11月7日(土)時間未定/ACL決勝第1戦・相手未定@未定
11月14日(土)or 15日(日)時間未定/天皇杯4回戦・相手未定@未定
11月21日(土)時間未定/ACL決勝第2戦・相手未定@未定
11月22日(日)13:30/リーグ17節・山形@万博(※2)

※1=ACL決勝に進出した場合、開催日が10月28日(水)or 29日(木)に変更も
※2=ACL決勝に進出した場合、開催日が11月3日(火・祝)に変更も
※代表戦は10月8日(木)シリア戦、同13日(火)イラン戦

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