湘南、J1残留決める 山口智監督の古巣・G大阪に引き分け、17年以来のJ2降格を回避
◆明治安田生命J1リーグ ▽第38節 G大阪0―0湘南(4日・パナスタ)
16位の湘南はアウェーでG大阪に0―0で引き分けた。勝ち点36で並んでいた降格圏17位・徳島が広島に2―4で敗れたため、2017年以来のJ2降格を回避した。
序盤から豊富な運動量で相手を圧倒した。前半13分にはFWタリクのシュートがFW大橋祐紀に当たってゴール右へ。同34分にはMF茨田陽生の右クロスを大橋がヘディング、同40分にはMF岡本拓也の左CKを大橋が再びヘッドで合わせたが、いずれも相手GK東口順昭にセーブされた。
後半5分にはFW宇佐美貴史のロングシュートがバーに直撃するピンチに見舞われながら、堅守で得点を与えず。同35分にはFWウェリントンを投入し、攻勢を続けたが、最後までゴールを割れなかった。山口智監督が選手、スタッフとして計16年間過ごした古巣から白星をつかめなかったが、引き分けで価値ある残留を決めた。
先月23日にはオリベイラ選手が急性うっ血性心不全のため23歳で死去。山口監督は「彼の思いも背負ってやっていく」、茨田は「G大阪戦でしっかり勝って、オリにあいさつしたい」と亡き仲間に誓った残留を果たした。
17年にJ2優勝してJ1に昇格後、18年は13位、19年は16位、コロナ禍で降格がなかった昨年は最下位。昨オフにMF斉藤未月(ルビン・カザン)、金子大毅(浦和)、鈴木冬一(ローザンヌ)ら主力が大量流出したことも影響し、今季はシーズンを通して下位に低迷した。
15位だった8月末に浮嶋敏前監督が退任し、山口氏がコーチから昇格した。攻守の切り替え、球際の激しさなど「湘南スタイル」を継承しながら、止める・蹴るのこだわり、細かいポジショニングなどを徹底。就任から5戦勝ちなしと不調が続いたが、終盤は5戦負けなしと安定をもたらし、最後は残留をつかみとった。