「確実なエビデンスが無かった」。名古屋戦でG大阪の柳澤亘が取られたオフサイド判定は妥当だったのかを検証|Jリーグジャッジリプレイ
【国内サッカー・ニュース】明治安田生命J1リーグ第36節ガンバ大阪対名古屋グランパスの71分の場面をピックアップした『Jリーグジャッジリプレイ#36』では、G大阪のDF柳澤亘のポジションは本当にオフサイドだったのかを検証。Jリーグ副理事長の原博実氏、Jリーグウォッチャーの平畠啓史氏、審判員ゲストの深野悦子氏が独自の見解を述べた。
G大阪の攻撃シーンだ。パスを受けたFW宇佐美貴史が持ち込みディフェンスラインの背後へボールを送る。これに反応した柳澤がワンタッチから中央へ折り返し。ゴール前で混戦となり、最後はパトリックが押し込みG大阪にゴールがもたらされた。
しかし、このシーンは副審が旗を上げてオフサイドをアピール。リプレイで見ると、柳澤が受けたポジションはラインギリギリにいるように思われたが、これがオフサイドとなってノーゴールの判定となった。今回はこの判定が妥当だったのかを議論した。
まず、平畠氏は「スローで見ると吉田豊選手の右足ですかね。後ろに下がっているので、そこがラインになると思う」と主張。続けて「柳澤選手の肩か膝くらいだとすると同一線上くらいに見えるかなと。どこで映像を止めるかで全然変わってくる」と語り、難しい判定であり結論を出し切れなかった。これに原氏も同調。「オフサイドっぽく見えるには見えるね」としつつ、「これは深野さんに聞こう」と結論を求めた。
両者の意見を聞いた上で深野氏は「当然、VARがチェックしてラインを引いて、これは100%ではないとして審判団のジャッジを認めた結果だと思う」と答えた上で、今回の事象におけるオフサイドラインを調べる時の3Dか2Dかの状況について説明した。
「3Dは立体的に線が引けます。今回のシーンではディフェンスのかかとは簡単に引けると思いますが、オフェンスの場合は脇の下に垂直に線を下ろして引くことになります。(3Dの場合は)脇で引くと下に線を伸ばして2本線ができて見比べができる。でも、2Dだとディフェンスの足にしかラインを引けないので、あとは目視するしかない。そうなると100%ではないので、審判団の判定を尊重するしかない。なので、この場面はVARをチェックして審判団の判定を尊重しようとなったと思います」
深野氏は付け加えて「オンサイドっぽく見えます」としつつ、覆すだけの100%のエビデンスが取れないため尊重したのではないかと説明した。
最後に深野氏は「確実なエビデンスがなかったので、そのままだった」と結論を下している。
今後はどんなシーンがピックアップされるのか。『Jリーグジャッジリプレイ』に注目したい。