試合後に響いたG大阪「パトリックの絶叫」【G大阪対仙台】「気持ちを行動で示すことができるか」(1)
明治安田J1リーグ 第28節 ガンバ大阪vsベガルタ仙台 2021年9月12日 18:33キックオフ
この試合に負けることは、再び残留争いに巻き込まれることを意味していた。この週末を前に久しぶりに全チームの消化試合数が揃った(27)状態で眺めることができた順位表は、残留の安全圏といえるかどうかはどうやら勝ち点30のガンバと36の札幌の間にあるらしいと読むことができた。
一度は底を脱したかに思えたものの、8月9日には徳島、同25日には横浜FCに敗れており、現時点での降格圏に沈んでいるチームにやられているという事実は再びサポーターを不安にさせた。さらに、セレッソとのダービーマッチとなったリーグ戦では敗れルヴァン杯では敗退。最後はホームで0-4という屈辱を味わった。
サポーターの不安とフラストレーションはリーグ終盤を目前にして最高潮に達しており、ここで18位(勝ち点19)と降格圏に沈む仙台にしっかりと勝利し、ガンバは大丈夫だということを示さなければならなかった。
選手たちもそのことは十分わかっていたはずだ。
パトリックは試合後のコメントを「この試合の意味は、下位との直接対決で彼らに勝ち点を与えてはいけない、自分たちがしっかりと勝ち点を取らないといけないというところだった」と切り出している。
■努力は痛いほど伝わっただけに残念だ
彼は、勝ちたいという気持ちをプレーや行動で示していた。
ロングボールを収めるだけでなく裏取りのためにも走り、守備では仙台のセンターバック、アピアタウィア久にプレスをかけた。
PKを獲得すれば即座にボールを自分のものにし、しっかり決めきってみせた。仙台のゴールキーパー、ヤクブ・スウォビィクがリードを保つためにイエローカードと引き換えに揺さぶりをかけてきたが、冷静に決め切ったこと。
1点を追う82分に仙台のキャプテンを務めていた蜂須賀孝治が交代する際には、少しでも早くその時間を終わらせるためにとキャプテンマークを回収して富田晋伍の腕に巻きに行くほどだった。
他にも、VARの際にそこにいることで何か変わるわけではないのに、主審の隣から決して離れなかったり、試合が止まった時に1人だけベンチ前まで行って指示を仰いだりと、とにかくこの試合は勝ちたいんだ、という気持ちに溢れていた背番号18は、試合が終わるとピッチに顔をうずめ、それから膝立ちになって思い切り叫んだ。試合中の行動が伴っていたことで、その悔しさは痛いほど伝わってきた。
勝たなければいけないという気持ちを、こうして試合中のプレーや行動で示すことができた選手が何人いただろうか。