【G大阪】川崎に惜敗も宮本恒靖監督は新スタイルに手応え「色々な基準が見えた試合」
◇ゼロックス杯 川崎3―2G大阪(20日・埼玉スタジアム)
G大阪は後半ロスタイムの失点で川崎に敗れた。前半に2点を先制されたが、後半15分にMF矢島、同22分には相手ハンドで得たPKをFWパトリックが決めて同点に。しかし、後半ロスタイム、ラストプレーで川崎FW小林に決勝ゴールを奪われた。昨季のリーグ戦、天皇杯に続き、3たび川崎の優勝を目の前で見せつけられる結果となった。
試合後の宮本恒靖監督(44)は「結果に関しては残念。しかし今シーズン取り組んできたことが、たくさん出た試合だったと思います。色々な基準が見えた試合だった」と手応えを明かした。ボールポゼッションを高める攻撃スタイルを目指す中で導入した4―3―3の新システムで挑み、後半にはMF山本を中心としたビルドアップで相手を押し込み2得点。MF井手口は「後半途中は、いい距離感で(パスを)回せて、ゴール前まで運べた。そこはすごくよかった」と話した。
この日、宮本監督は右サイドバック(SB)にMF小野瀬、右ウイングにMF矢島を起用。本来は中盤のふたりに、お互いと相手の立ち位置を見ながら川崎陣内に深く侵入していくという役目を与えた。矢島はゴール前の混戦から1点差に迫るゴール、小野瀬もわずか1週間の準備で慣れない右SBに対応し、裏を取られるシーンもありながら攻守に奮闘した。
また新加入のFWレアンドロ・ペレイラ、MFチアゴ・アウベスも後半24分に途中出場。布陣を4―4―2へと変更し、レアンドロの高さ、チアゴの突破力でチャンスをつくった。得点は奪えなかったが、宮本監督は「時間を限定した出場でしたが、それぞれ良さが出た」と、来週のリーグ開幕に向けての期待感をにじませた。
しかし、GK東口の度重なるスーパーセーブで失点をか防いだ場面もあり、スタイルの浸透度で川崎との差は明白。それでも「川崎に勝つには、自分たちがボールを持たないと、と(宮本監督には)言われている。成熟させるには、やり続けて、結果を出さないと。やり続けた先には面白いサッカーが待っていると思う」と矢島。敗北の中にも、攻撃的な新スタイルへの期待感を感じさせる今季初戦となった。