「実質、新加入」 G大阪・昌子源がインタビューで明かした「手術」「今季」への思い

Jリーグ開幕を控え、今季に懸ける選手を紹介する連載「リスタート」の第3回は、G大阪の元日本代表DF昌子源(28)。昨年フランス1部トゥールーズから鳴り物入りで加入したが、慢性的な右足首痛で本来のパフォーマンスを発揮できなかった。悩んだ末、今オフに患部を手術。「実質、新加入」という今季への思いを口にした。

――9日に沖縄2次キャンプが始まった。

「順調すぎるほど順調です。実質、今季新加入くらいの気持ちですね(笑い)」

――昨年はフランス時代からの右足首痛に悩まされた。

「個人的に納得できる試合は一つもなかった(※1)。脳が勝手に“痛い”と思ってしまい、いざボールを蹴ろうとすると足首が固まってしまう。そうなると相手にも読まれやすくなる。パスの強弱も付けられなかった。シーズン終盤は痛み止めを打っていたけど、痛みが全て取れるわけではなく、苦しかった1年です。それ以外の何物でもないですね」

――昨年末に右足首手術に踏み切った。

「リーグ戦終了後の12月22日です。天皇杯決勝後にするか迷い、宮本監督や松波強化部長にも相談させていただきました。同じ足首をオペした選手にも連絡した。その中で監督から“来年のためにも早めの方が良いんじゃないか”と言われました」

――相談した選手というのは?

酒井宏樹君、モリゲ(森重真人)さん、今ちゃん(今野泰幸)。特に宏樹君はオペの種類が一緒で“絶対にやった方が良い”と後押ししてくれた(※2)。選手にとって足首にメスを入れるのは相当な覚悟は必要で、決断には時間がかかりましたけど、今はやって良かったと思う」

――既にフルメニューを消化している。

「実は手術する前は2~3カ月ほど要すると言われていた。でも1カ月半くらいで対人練習にも入れた」

――個人的には不本意な20年だったかもしれないが、チームメートは“意見を言い合う雰囲気が出てきた”と言っていた。昌子効果では?

「それは自分では分からないですし、オレが雰囲気を変えたとかはやめてくださいよ(笑い)。でも(昨年の)紅白戦の時に貴史(宇佐美)や秋(倉田)君ら全員を集めたことがあった。その場で“オレはこうやってボールを取りにいきたい”と伝えたんです。“貴史、後ろから見たらこうだけど、お前はどうしたい?”と聞くと、意見が出てくるようになった」

――今季の目標は。

「難しいチャレンジになるのは分かっているけど、JリーグとACL優勝。去年はJリーグと天皇杯で2位になり、はたから見れば頑張ったになるかもしれないけど、喜べない結果だったので」

――個人としては。

「今年こそは試合で証明したい。皆さんがイメージしているだろう“昌子源”を出すこと。そして、お世話になっているG大阪メディカルスタッフの方々にも早くピッチで活躍している姿を見せて、恩返しをしたいです。数字的なもんはないです。内容がクソでもシュート30本打たれても勝ちゃあいい。ダッサい勝ち方でも勝ちは勝ちですから」

――来年はカタールW杯もある。日本代表の舞台をどう捉えているか。

「W杯が近くなれば意識を強めると思うけれど、まずはクラブ。でも若い選手も多く入ってきているし、彼らとプレーしたい。負けるつもりはありません」

(※1)20年はリーグ18試合出場。スタメン出場時の無失点試合は2試合にとどまった。

(※2)20年3月、新型コロナでフランスリーグが中断した際に左足首手術。現地紙では全治2カ月と報じられた。

◆昌子 源(しょうじ・げん)1992年(平4)12月11日生まれ、神戸市出身の28歳。小4からFCフレスカ神戸でサッカーを始め、G大阪ジュニアユース、米子北高を経て11年に鹿島に加入。19年1月にフランス1部トゥールーズへ移籍、20年からG大阪。18年W杯ロシア大会代表。日本代表通算18試合1得点。1メートル82、76キロ。利き足は右。

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