ガンバ大阪、期待の新戦力5人。韓国代表MFは実績十分、ブラジル人FWは得点王候補
明治安田生命Jリーグの各クラブは、2021シーズンの開幕に向けて準備を進めている。昨シーズンを2位という結果で終えたガンバ大阪は、6人の新加入選手を迎えた。今回フットボールチャンネルでは、新天地での活躍が期待される5人の新戦力を紹介する。
3年ぶりに復帰のFW
生年月日:1997年11月10日(23歳)
前所属:横浜FC
2020リーグ戦成績:31試合4得点
一美和成は3シーズンぶりにガンバ大阪に復帰した。19年は京都に期限付き移籍し、J2リーグで17得点をマーク。横浜FCでプレーした昨季は21試合に先発し、4得点という結果を残している。
大津高校時代から世代屈指のセンターフォワードとして期待された。G大阪ではJ3でプレーする時期が長かったが、プロ3年目の18年にJ1デビューを飾ると、京都と横浜FCで着実に経験を積み重ねた。
181cmの体格を活かしたポストプレーや、ペナルティーエリア内での存在感はポテンシャルを秘めている。パトリックとレアンドロ・ペレイラがいるFWのポジション争いは厳しいが、少ないチャンスを活かしてアピールしたいところだ。
リーグ3位の15得点
FW:レアンドロ・ペレイラ(ブラジル出身/背番号9)
生年月日:1991年7月13日(29歳)
前所属:サンフレッチェ広島
2020リーグ戦成績:26試合15得点
昨季のガンバ大阪は2位に躍進したシーズンとなったが、4年ぶりに2ケタ得点者不在に終わった。FWの補強を狙うクラブは、レアンドロ・ペレイラを松本山雅から完全移籍で獲得している。
来日2年目の昨季はサンフレッチェ広島でプレーし、リーグ3位の15得点をマークした。ゴール前で強さを見せるセンターフォワードで、190cmの長身を活かした空中戦の強さはパトリックに匹敵する。強烈なミドルシュートも備えており、左右両足からゴールを決められるのも特徴である。
昨季のG大阪は不祥事を起こしたアデミウソンが昨年末に契約解除となり、アデミウソンとともにチーム2位タイの6得点を挙げた渡邉千真も移籍。パトリックと宇佐美貴史がいる前線のポジション争いに名乗りを上げることになる。2ケタ得点はもちろん、フル稼働できれば得点王も狙うチャンスも出てくるだろう。
W杯にも出場した韓国代表MF
MF:チュ・セジョン(韓国出身/背番号6)
生年月日:1990年10月30日(30歳)
前所属:FCソウル(韓国)
2020リーグ戦成績:11試合0得点
AFCチャンピオンズリーグでの経験も豊富なチュ・セジョンが加入したことにより、G大阪の中盤の層は厚みを増すことになる。韓国代表としての実績もあり、2018年は兵役中だったにもかかわらず、ロシアワールドカップのメンバーに選出。ドイツ代表戦でアシストもマークしている。
セントラルMFを主戦場とするチュ・セジョンは豊富な運動量や対人プレーの強さが武器で、広い視野を活かした配球力を備えている。レギュラー定着を果たした山本悠樹に加え、矢島慎也や井手口陽介といった選手とポジションを争うことになるだろう。
厳しい外国籍枠を勝ち抜けるか?
FW:チアゴ・アウベス(ブラジル出身/背番号32)
生年月日:1993年1月12日(28歳)
前所属:サガン鳥栖
2020リーグ戦成績:13試合3得点
渡邉千真とアデミウソンが抜けたG大阪はサンフレッチェ広島で15得点を挙げたレアンドロ・ペレイラとチアゴ・アウベスを獲得している。横浜FCで31試合に出場した一美和成も復帰しており、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)への戦いを見据えて人員の整理を行っている。
チアゴ・アウベスはこれまで清水エスパルス、サガン鳥栖でプレーした経歴を持つ。最前線だけでなく、サイドアタッカーとしてもプレーが可能。鋭いドリブルと強烈な左足のシュートはG大阪でも武器になるだろう。
アウベスにとっては外国籍選手枠という壁が立ちはだかるかもしれない。今季の外国籍選手はJ1でのプレー経験がないシン・ウォノを含めた6人。Jリーグの外国籍選手枠は5人だが、ACLでは3人+アジア枠1人となる。新加入のチュ・セジョンも韓国代表で実績のある選手で、パトリックとペレイラ、キム・ヨングォンは外せない。アジアの舞台ではアウベスに厳しい現実が待ち受けることになるかもしれない。
大学屈指のエアバトラー
DF:佐藤瑶大(さとう・ようた)
生年月日:1998年9月10日(22歳)
前所属:明治大学
2020リーグ戦成績:―
大学サッカー界屈指と言われる空中戦の強さを誇る佐藤瑶大がガンバ大阪に加入した。韓国代表のキム・ヨングォンに加え、日本代表経験もある昌子源と19年から主将を務める三浦弦太にポジション争いを挑むことになる。
明治大学ではDFラインの柱として3年時に関東大学サッカーリーグ、総理大臣杯、全日本大学選手権の3冠獲得の原動力となった。183cmという身長はJリーグのセンターバックとしては平均的だが、当たり負けしないフィジカルと跳躍力を活かした打点の高いヘディングはセットプレーでも武器になる。
宮本恒靖監督は176cmと小柄だったが、現役時代はポジショニングや統率力を武器に、日本代表やヨーロッパでも活躍した。宮本監督のようなインテリジェンスが佐藤に加われば、近い将来の日本代表を担うようなセンターバックに成長する素質を秘めている。