【G大阪】川崎との差を痛感する準優勝…三浦弦太「自分たちのサッカーを確立しないと」
◆天皇杯準決勝(1日・国立競技場)川崎1―0G大阪(1日・国立競技場)
G大阪は決勝で川崎に敗れ、5年ぶりのタイトル獲得はならなかった。圧倒的な攻撃力を誇る川崎に対し、宮本恒靖監督(43)はリーグ戦でベースにしてきた4バックではなく、守備時は5バックでスペースを消す戦いを選択。前半から川崎に押し込まれる展開が続いたが、前半は相手のシュートミスにも助けられて無失点にしのいだ。しかし攻め手を見いだせない中で、後半10分、DF金英権がつり出されてできたスペースをつかれ、川崎MF三笘に決められて失点。その後は4バックに戻し、終盤はクロスやパワープレーで川崎ゴール前には侵入したが、得点を奪うことはできなかった。
2020年シーズンは、MF遠藤保仁がレギュラーポジションを失って磐田へ移籍したことに象徴されるように、大きな変革のシーズンとなった。宮本監督は粘り強い守備をベースにした戦いでチームを構築。「4対3の試合より、1対0で勝つ方がいいと思っています」という指揮官のスタイルは、勝利を重ねる中で浸透していった。リーグ戦では2位という結果を残したが、川崎には今季3度の対戦で3敗し、タイトルには届かず。宮本監督は「守備で失点しないところもですけど、攻撃ももっと高めないといけないですし、球際の部分も相手に分があった。もう一段階、二段階、高いものをつくりあげていかないと」と振り返った。
DF三浦は来季に向けて「フロンターレのように自分たちのスタイルがあれば、どんな状況においても強い。今まで相手に合わせて戦ってきた部分もあるので、自分たちのサッカーを確立していくことは大事かと思います」と話した。さらに「どれだけ粘り強く戦っても…きょうの試合は1回勝負だったので、今年やってきたことを出して、という思いはありました。でもリーグ戦とかになると、自分たちのスタイルを持って戦う強みはあると思う。そういった意味でも、フロンターレに負けないようなサッカーを築いていく必要がある」と続けた。
またMF倉田も「最後(試合終盤)はよかったですけど、試合を通じて僕らの攻撃が相手の脅威になったかと言えばなっていない。そこは改善が必要。みんなクオリティーはあると思うんで、それをどうゴール前で出すのか、をやっていければ」と、来季への明確な課題を挙げた。しかし近年低迷が続いてきた中で、タイトルまであと一歩まで迫ったことも事実。「絶対に勝たなあかん試合の数を増やすことで、選手として成長する。今日負けて、川崎が喜んでいる姿を見て、みんな感じていることはあると思う。来年はACLもあるし、川崎を倒すという目標もある。それに向かってやっていければ」と倉田。来季は今年築いた粘り強い守備をベースに、元来クラブのカラーでもある攻撃的な積み上げを目指していく。