G大阪は勝負に徹する戦術も…宮本監督「攻撃面をもっと高めないといけない」

◇第100回天皇杯決勝 G大阪0―1川崎F(2021年1月1日 国立競技場)

勝負に徹したシステムも、試合終盤の怒とうの攻撃も、川崎Fを攻略しきるまでには至らなかった。後半10分の1失点に泣き、5年ぶりの天皇杯優勝はかなわず。宮本恒靖監督は指導者転身後初タイトルに届かなかった。

「守備を意識して奪った後に速く攻めること、自分たちがボール持つ時間を作っての攻撃という2つのゲームプランを持っていた」

従来の4バックではなく3バックシステムを採用。守備時にはウイングバックのDF藤春広輝とMF小野瀬康介が下がって5バック気味になり、2シャドーのFW宇佐美貴史とMF倉田秋、最前線のFWパトリックまで自陣に戻る徹底した守備網を敷いた。GK東口順昭が「前半45分間を無失点で終えることはマスト」と口にしたように指揮官のプランを全員で遂行。後半勝負の展開に持ち込んだ。

だが4バックに変更して前掛かりになった後半、宇佐美や倉田のポジションを変えて徐々にボールを握る時間帯を増やしてもネットを揺らすことはできず。途中出場のFW渡辺千真や宇佐美のシュートも阻まれた。完全に崩したシーンは少なく、相手のシュート27本に対して、わずか7本。指揮官が「攻撃面をもっと高めないといけない」と口にするように来季の課題は明確だ。

今季得点ランク3位の15得点を挙げたFWレアンドロ・ペレイラ、韓国代表MF朱世鐘の加入が決定的。期限付き移籍していた横浜Cで成長を遂げたU―23日本代表FW一美和成も復帰する。攻撃陣の厚みを増し、来季こそタイトル奪還を目指す。

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