G大阪DF昌子源、敵として戦った“最後”の内田篤人に感謝 「今日のプレー見るとまだできるんじゃ」
G大阪DF昌子源、移籍後初の古巣・鹿島戦で“先輩”内田篤人が現役を引退
ガンバ大阪は23日、J1リーグ第12節で鹿島アントラーズと対戦し、1-1で引き分けた。現役引退を発表した鹿島の元日本代表DF内田篤人のラストマッチ。G大阪へ加入後、古巣との初対戦が鹿島時代の先輩の引退試合となった日本代表DF昌子源は、複雑な胸中を打ち明け、内田に感謝の言葉を述べた。
試合は前半6分にG大阪が先手を取った。左サイドでMF倉田秋がFWパトリックとのパス交換から抜け出してゴール前でクロスを入れると、ニアサイドのFW宇佐美貴史がDFをひきつけ、ファーサイドで走り込んだMF小野瀬康介がしっかりと押し込んで先制した。
一方でリードを許した鹿島は前半16分にDF広瀬陸斗が負傷。ザーゴ監督はベンチスタートとなっていた内田を投入し、会場の雰囲気は一変した。MF三竿健斗から主将マークを託された内田は右サイドバックに入り、駆け上がってクロスを上げるなど、気迫あふれるプレーを見せた。
内田の投入以降、G大阪は試合を支配されていたものの、得点は与えず。勝利目前かと思われた後半アディショナルタイム、内田のサイドチェンジから攻め込まれ、最後はMF荒木遼太郎のクロスをDF犬飼智也に頭で合わせられて、土壇場で同点に追いつかれた。鹿島の気迫に押されたG大阪は、勝ち点3を逃してしまった。
試合終了の笛が鳴ると、この日がラストマッチとなった内田が1人1人とハグ。米子北高校を卒業後、11~18年まで鹿島で育った昌子も、内田と熱い抱擁を交わした。試合後、鹿島の先輩内田に対する思いを明かした。
「率直に言うと寂しい。これだけ偉大な選手をできることなら満員のスタジアムで送ってあげたかった。非常に残念……いや、残念は失礼。お疲れさまでした。本人がいろんな思いをして大きな決断をしたなかで、他人がどうこういうわけじゃないと言っていたけど、今日のプレー見ると『まだできるんじゃないか』と思ってしまう。でもありがとうございましたと伝えたい」
鹿島の偉大な先輩・内田の最後の姿 「鹿島の歴代の先輩から受け継いできたものを…」
鹿島時代には18年しかともにプレーする時間はなかったが、日本代表では、昌子にとってデビュー戦となった15年3月31日のウズベキスタン戦が内田にとっての代表ラストマッチだった。そして、今年フランス1部トゥールーズからG大阪へ加入した昌子が迎えた初の古巣戦で内田が現役を引退。巡り合わせもあったなかで、“内田イズム”はしっかりと受け取っていた。
「(内田と)やってきた期間は短いかもしれないですけど、サッカーに取り組む姿勢やチームがどうすれば上手くいくのか、鹿島の歴代の先輩から受け継いできたものを篤人君が背負って伝えてくれた。それを見て僕も成長してきた部分はあったので、尊敬していた」
この日は長く育った鹿島での古巣戦ということもあり「今までの試合前と違う感情がウォーミングアップからあった」という昌子。74分間、敵として間近で見た気迫あふれる内田のプレーは、これからずっと心に残っていくことだろう。