「試合に出たい、負けたくない」 ガンバ大阪・遠藤、執念と独自調整でつかんだ最多出場
◇○セレッソ大阪2―1ガンバ大阪●(4日・パナスタ)
ガ大阪のMF遠藤が先発出場し、単独最多となるJ1通算632試合を達成した。前半終了間際にセ大阪は奥埜のゴールで先制し、後半17分に丸橋が2点目を挙げて2連勝。ガ大阪は同23分にアデミウソンが1点を返したが、及ばなかった。
誰よりも多く立ったJ1のピッチ。ガンバ大阪の遠藤はプロ23年目で打ち立てた大記録よりも、「(4カ月ぶりの)ピッチに立つ喜びの方が断然大きい」と、サッカーができる幸せをかみしめた。
中盤の底の「アンカー」の位置で何度も首を振って周囲を見回し、試合の流れや相手の動きを読んでは、身ぶり手ぶりで味方を動かした。自らの愛称「ヤット」の真骨頂でもある決定的なパスは披露できず、先制を許して後半早々に交代。節目の試合を勝利で飾れなかったが、「修正すればいい」とさらり。これも新たな力となる。
新型コロナウイルスの影響で5月25日にチームの活動が再開した時には「体はあまりできていなかった」という。それでも、試合になれば必ずそこにいる。調整し、先発の座を譲らなかった。
これまで病気による欠場はあったが大けがはない。年齢を重ねる中で、自身の体調を見極めてきた。日本代表やガ大阪でフル稼働していた時期は「無理に練習をして疲労を残しても良くない」と、別メニュー調整で試合に出続けた。今回の活動自粛中も「休む時は休む」と、自らのペースを崩さない「遠藤流調整」を貫いた。
これまでJ1で13位の103得点。上位12人はFWで、MFとしては最多だ。プロ2年目を除いて開幕戦には先発出場し、J2で戦った2013年も含めてリーグ戦では22年連続で得点を挙げ、主力であり続ける。「多くの試合に絡みたい。限界を決めずにサッカーを楽しみたい」と遠藤。最多出場記録を更新した後も、己との長い闘いが待っている。