新10番誕生は2クラブ!2020年のJ1で“ナンバー10”を背負う男たち
2020シーズンの明治安田生命J1リーグが2月21日に開幕する。各クラブが新体制を発表し、J1を戦う18クラブ新背番号も明らかになった。サッカーでは特別な番号とされる10番を今季は誰が背負うのか。今回はJ1クラブの10番を背負う男たちを特集する。
■札幌:宮澤裕樹(10番歴:2010年~)
札幌一筋を貫く30歳は、2010年よりかつて山瀬功治やフッキが背負った10番を継承。昨季はも中心選手としてJ1で30試合に出場した。ミハイロ・ペトロヴィッチ体制下では、本職のボランチだけでなく、最終ラインの中央を任されることもあり、可変式スタイルの肝である質の高いビルドアップの実現に貢献している。また、今季も5年連続で主将を務めることが決定。頼れる10番がミシャ札幌のさらなる躍進をけん引する。
■仙台:空き番
16年間仙台でプレーし、2006年からは10番を背負っていた梁勇基が、サガン鳥栖へ移籍したため、空き番となっている。(※2月17日現在)
■鹿島:空き番
昨季は安部裕葵が、かつてジーコや本山雅志が背負った伝統の10番を継承したが、シーズン途中にバルセロナ(スペイン)へ移籍。現時点でも空き番となっている。(※2月17日現在)
■浦和:柏木陽介(10番歴:2016年~)
昨シーズンは負傷の影響もあり、リーグ戦での出場機会は17試合にとどまった柏木。チームも8年ぶりに二桁順位で終えるなど、不本意な結果に終わってしまった。今季は新システム導入が予想されるチームにおいて、最前線起用の可能性もあり、正確無比な左足をどう生かすかが、浦和の不振脱却へのカギとなる。
■柏:江坂任(10番歴:2018年~)
2018年から柏に在籍する江坂は昨季、J2で38試合に出場し、11得点をマーク。オルンガやクリスティアーノとともに破壊力抜群の攻撃陣を形成した。チームはJ2最多の85得点を記録して優勝。ネルシーニョ体制2季目の今シーズン、10番・江坂にかかる期待はより一層大きくなるはずだ。
■FC東京:東慶悟(10番歴:2019年~)
昨季背番号を「10」に変更した東慶悟が今季も引き続き背負うこととなった。2シーズン連続でJ1全試合に出場、主将としてもFC東京の優勝争いをけん引した。今年もファストブレイクを標榜する長谷川健太監督のもと、持ち味のハードワークを生かしてチャンスメイクに励む。
■川崎F:大島僚太(10番歴:2016年~)
2017、18年のJ1リーグ2連覇に貢献した大島だが、昨季は負傷の影響もあり、リーグ戦では19試合の出場にとどまった。それでもシーズン終盤に復帰すると、中盤でタクトを振るい、あらためてそのポテンシャルの高さを証明した。12月にはEAFF・E-1サッカー選手権に臨む日本代表へ復帰を果たすと、鋭い戦術眼と卓越したパスセンスで抜群の存在感を発揮した。今季、リーグ奪還を目指す川崎Fにとっては、大島がシーズンを通してフル稼働できるかどうかも重要なポイントとなってくる。
■横浜FM:空き番
昨季は天野純が新10番を背負うことになったが、夏にベルギー2部のロケレンへ2020年6月末まで期限付き移籍。シーズン途中に空き番となった。チームは2004年以来15年ぶりのリーグ優勝を果たしたが、今シーズンのスタート段階でも10番は空き番号のままとなっている。(※2月17日現在)
■横浜FC:イバ(10番歴:2018年~)
2016年の横浜FC加入後、4シーズン連続で二桁得点をマークしているイバ。昨季はチームの不調時に先発落ちもあったが、下平隆宏監督就任後は再びスタメンに復帰。若手の台頭が激しいチーム内でも、18ゴールを挙げていぶし銀の活躍を見せた。在籍5シーズン目となる今季も引き続き10番を背負い、チームをさらなる高みに導く。
■湘南:山田直輝(10番歴:2019年~)
昨季夏に2年ぶりのベルマーレ復帰を果たした山田直輝が今季も引き続き10番を背負う。期限付き移籍で湘南に加入していた2015年から17年にかけては8番を着用していた山田だが、浦和から期限付き移籍で復帰した昨季は空き番だった10番を着用。ここ数シーズンは負傷の影響などもあり、不本意な結果に終わっている山田。2020シーズンは完全移籍に移行し、完全復活を目指す。
■清水:空き番
直近では2018シーズンまで白崎凌兵が10番を着用していたものの、同選手が2019年に鹿島へ完全移籍したため、空き番に。かつて澤登正朗らレジェンドが背負った10番は今季も空き番号のままとなっている。(※2月17日現在)
■名古屋:ガブリエル・シャビエル(10番歴:2018年~)
昨季、完全移籍に移行したガブリエル・シャビエルが、今シーズンも10番を背負う。昨シーズンはリーグ戦で32試合に出場し、3得点を挙げたシャビエルだったが、チームは一時10試合未勝利が続くなど、苦しいシーズンを過ごした。新シーズンは阿部浩之ら新戦力に加えて、マテウスや相馬勇紀といったレンタルバック組との連係構築にも期待がかかる。
■G大阪:倉田秋(10番歴:2017年~)
G大阪の10番は、約13年半にわたって二川孝広が着用していたが、2017年に倉田秋が継承。6シーズン連続でリーグ戦30試合以上に出場し、現行の宮本恒靖体制でも欠かせない存在であることを証明し続けている。G大阪はオフに日本代表DF昌子源を獲得。上位進出への期待も高まっている。
■C大阪:清武弘嗣(10番歴:2018年~)
ロティーナ体制2年目を迎えるC大阪は3シーズン連続で清武弘嗣が10番を背負う。主将を務めた昨季は、ケガで離脱することもあったがリーグ戦で27試合に出場。今季も2年連続でキャプテンを務めることが決定しており、リーダーシップが期待される。16日のルヴァンカップ・グループステージ初戦では途中出場ながら早速ゴールを奪っており、良い状態で開幕を迎えることになりそうだ。
■神戸:空き番
2017シーズンから3年に渡り、10番を背負った元ドイツ代表ルーカス・ポドルスキが昨季限りで退団したため、神戸の10番は現時点で空き番号となっている。(※2月17日現在)
■広島:森島司(10番歴:NEW)
パトリックのG大阪復帰により昨季途中からナンバー10は空き番となっていたが、新シーズンより東京五輪候補の森島司が10番を背負うこととなった。城福浩監督のもと、昨季は2シャドーの一角としてブレイク。2018年はリーグ戦1試合の出場であったが、2019年は24試合に出場し、3得点を記録した。この活躍が認められ、12月にはE-1選手権に臨む日本代表メンバーに招集され、A代表デビューを果たしている。16日のルヴァンカップ初戦でも抜群の存在感を発揮した森島。サンフレッチェの上位進出に欠かせない存在となりそうだ。
■鳥栖:空き番
2010年から7シーズンに渡り、10番を背負ったキム・ミヌが兵役のため退団。以降は欠番となっている。(※2月17日現在)
■大分:野村直輝(10番歴:NEW)
藤本憲明が2019シーズン途中に神戸へ移籍したため、10番は空き番となっていたが、オフに徳島ヴォルティスより加入した野村直輝が新たにナンバー10を背負うことになった。横浜FCと徳島でプレー経験を積んだ野村は現在28歳。J1初挑戦となる今季、片野坂トリニータをさらなる高みに導くことはできるか、注目が集まる。