【G大阪】遠藤保仁、日本人初1000試合出場を支えた“超体育会系”気質

◆明治安田生命J1リーグ第21節 神戸2―2G大阪(2日・ノエスタ)

G大阪の元日本代表MF遠藤保仁(39)が、2―2で引き分けた神戸戦の後半19分から出場。リーグ戦や日本代表での公式戦通算1000試合出場を達成した。プロ22年目で日本人では史上初の大台に到達。J1の出場数は621試合で、元日本代表GK楢崎正剛氏の最多631試合まで10に迫った。なぜここまで出場数を伸ばせたのか。G大阪担当の金川誉記者が「読み解く」。

背番号7の偉業達成を、勝利で祝うことはできなかった。2点リードの後半19分、遠藤がピッチへ。試合を落ち着かせようとしたが、チームはその後2失点を喫した。遠藤は後半ロスタイム、FW食野への絶妙なパスでチャンスを演出したが、決勝点は奪えず。「(1000試合出場を)達成できたことは良かったですけど、もちろん勝ちたかった。次は勝てるようにしたい」と、穏やかに話した。

視野の広さと正確なパスで試合をコントロールする司令塔として、G大阪や日本代表でも長く中心を担ってきた。体のケアに執着するタイプではないが、元来の体の強さ、さらにけがをしても出場し続ける痛みへの耐性を持ち、35歳の2015年には自己最多の62試合に出場。年齢を重ねてもピッチに立ち続けてきた。

そのベースとなるのは、ピッチ内外でのひょうひょうとした振る舞いからは想像しがたい“体育会系”な一面だ。以前、こんな言葉を聞いたことがある。

「僕が若い時と、今の選手に向上心の差はない。ただ、昔の選手の方が、根性はあるように感じます。レギュラーをとってやるとか、そういった思いがプレーに表れないと。今はリーグ戦でチャンスを与えてもらえない選手が、カップ戦で出番をもらって本当に死に物狂いでやっているかというと、『?』がつきます。何が何でも、という気持ちが少ない気がします」

自身もパスで崩すきれいなサッカーにこだわった若手時代は、日本代表でレギュラーに定着できなかった。それでも試合に出たい一心で課題の走力や球際の強さも磨き、競争を制してきた。今季はリーグ戦21試合で先発は12試合と、スタメンの機会は減りつつある。迫り来る世代交代の波にも、「先発で出たい気持ちは、18歳の頃と今も何も変わらない」と言い切った。1000試合の中で最も印象に残る試合には、横浜フリューゲルス時代の1998年3月21日に横浜Mと対戦したデビュー戦を挙げた。21年前と変わらぬ思いが、遠藤の芯の部分にある。

◆サッカー界の1000試合出場 元ブラジル代表の「王様」ペレが、1956年に15歳でデビューしてから22年間で通算1363試合に出場。1281得点をマークした。他には元イタリア代表GKブッフォン、元スペイン代表GKカシジャス、元同代表MFシャビ、元同代表FWで現在は日本代表MF久保建英が所属するRマドリードのカスティージャで監督を務めるラウルらが達成している。

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