【G大阪】宇佐美、ロスタイム同点“ただいまヘッド” 1120日ぶりJ復帰戦

◆明治安田生命J1リーグ第20節 名古屋2―2G大阪(20日・豊田ス)

G大阪は、ドイツ1部アウクスブルクから移籍し、約3年ぶりのJ復帰戦で先発した元日本代表FW宇佐美貴史(27)が、後半ロスタイムに起死回生の同点ゴールを決め、名古屋と2―2の引き分けに持ち込んだ。

2度目のドイツ挑戦でも結果を残せず日本に戻ってきた宇佐美が見せた変化を、G大阪担当の金川誉記者が読み解く。名古屋は9戦勝利なし。首位のF東京は清水に2―0、2位・横浜Mも神戸を2―0で下した。

3年ぶりのJで決めたゴールは、まさかのヘディングだった。1点を追う後半ロスタイム。右サイドからのアーリークロスに、宇佐美が頭で合わせた。「正直、ヘディングは予想外でしたけど。1試合目からスムーズに(得点が)出たことは良かったです」。敗色濃厚のチームを救った16年6月18日・鳥栖戦以来のJ復帰弾に、試合後は安心したのか穏やかな表情だった。

フランス1部・ボルドーへ移籍した韓国代表FW黄に代わり、2トップの一角で先発。しかし、約3か月ぶりの実戦、さらに「想像を絶するほど」と語った日本の夏の蒸し暑さにキレを奪われた。らしさを見せたのは、前半24分に右足でシュートを放った場面ぐらい。正直、今日のプレーは宇佐美がドイツでの苦い経験を経て、成長したとは書きづらい内容だった。

2度のドイツ挑戦では、1部でプレーした5年間でわずか3得点。ライバルのレベルが高すぎたバイエルンを除けば、攻撃的な自らの特徴を生かせるチームでプレーできず、結果を残せなかった。そんな男が、日本復帰で変わろうとしている。この日も「チャンスを生み出す数、スムーズに攻撃が進むように意識しています。ガツガツと点を取る(個人の)結果を求めるより、それがG大阪にとってプラスになる」と語るなど、今チームに何が足りないのかを見極め、自らのプレーを変えられる選手になろうとしている。

節目の試合で得点する“強運”ぶりは変わっておらず、試合終盤まで気持ちを切らさなかったメンタル面でも成長の兆しを感じる。今夏、チームは元日本代表MF今野ら、これまでチームを支えてきた6人を放出。急激な世代交代が進む中、宇佐美にかかる期待は大きい。「やってみて、改めてまだまだだと感じました」と、この日のプレーには納得していない様子。前半戦は低迷したG大阪が浮上するためには、ドイツで苦杯をなめてきた男がさらに進化した姿を見せるしかない。

リンク元

Share Button