【J1採点&寸評】名古屋2-2G大阪|90+1分に同点弾!復帰戦で結果を出した宇佐美をMOMに

名古屋――現実的な戦い方を見せたが…
[J1リーグ20節]名古屋2-2G大阪/7月20日(土)/豊田スタジアム

【チーム採点・寸評】
名古屋 5.5
スタイルを貫きつつもかなり現実的な戦い方を見せた試合だった。しかし、如何せん失点の仕方が悪く、せっかくのリードも土壇場で失う戦いぶりは厳しい見方もできる。ポジティブな面も多い中で、チームは次の一手をどこに打つか。

【名古屋|採点・寸評】
GK
1 ランゲラック 5.5
2失点はしたものの、まともに対応したシュートに対しては特に問題なし。1失点目はやや後手に回った感があり、そこだけは残念だった。

【名古屋2-2G大阪】ハイライト動画&詳細マッチスタッツ

DF
34 藤井陽也 6
大抜擢に溌溂としたプレーで応えた。高卒ルーキーとは思えない強心臓ぶりも随所に発揮し、宇佐美やアデミウソンといった名手たちを向こうに回しても全く物おじするところがなかった。

20 中谷進之介 6
3バックの中央で最終ラインの指揮を執り、懸命に守備陣を支えた。その中での2失点は無念だろうが、守備を怠ることなく攻撃にも関わっていった終盤のプレーは出色のものがあった。

36 太田宏介 5.5
新天地デビューは惜しくも勝点1の結果に。セットプレーで可能性を見せたほか、初めてという3バックも無難にこなし、上々の名古屋デビューを飾った。最終局面の直接FKを決めていれば、まさにヒーローだった。

MF
6 宮原和也 6
右ワイドのポジションで精力的に攻撃と守備のタスクをこなし続け、もはや持ち味となったペナルティエリアへの飛び込みで勝ち越しゴールもマーク。2失点目に絡んだのは残念だが、それでこの日の彼のプレーの価値は下がらない。

21 エドゥアルド・ネット 6
先制点の起点となるインターセプトからの突破は見事。今日はポジショニングも非常に高く、攻守にわたって敵陣でのプレーが多かった。

8 ジョアン・シミッチ 6
E・ネットとのバランス取りを重視した動きでゲーム全体のリズムもうまく作っていった。勝ち越しを狙う後半の流れの中ではもう少しシュートが欲しかったところだが。

名古屋――ジョーはコンディションの悪さが目立った
23 吉田 豊 6.5
サイドの1対1の安定感は素晴らしいものがあり、今日はオーバーラップの際のコース取りが特に秀逸だった。バイタリティーという点でも序盤戦のキレが戻ってきた感もあり、ここからが楽しみ。

FW
25 前田直輝 5.5(61分OUT)
素晴らしい形での先制点をマークし、その後もサイド、中央を問わず攻撃の起点を作り続けたが、後半の速い段階で両太ももに違和感。大事を取ってのものだが、彼の交代はなかなかな痛手だった。

7 ジョー 5.5 (74分OUT)
コンディションの悪さが目立つ。よく走り、ポストプレーの安定感もあったが、彼本来の動きを思えば物足りない部分の方が多い。積極性に欠けるのが攻撃陣全体の迫力を減衰させている。

29 和泉竜司 6.5(89分OUT)
吉田とともに左サイドを制圧していた。ボールキープ力と動きの連続性が出色で、得点に絡んでいれば間違いなくMVPのひとりだった。彼の良さをチームはもっと生かしたい。

交代出場
FW
10 ガブリエル・シャビエル 5.5(61分 IN)
太ももに違和感の前田に代わって急きょ出場。カウンターの受け手としても前線のタメを作る選手としても機能していたが、攻撃陣として決定打に欠けるところは否めなかった。

MF
9 長谷川アーリアジャスール 5.5(74分 IN)
リードをキープする役割を任されてジョーに代わってピッチに入った。精力的なフォアチェック、カウンターに走るフリーランニングと良い動きは見せたが、ゴール前の仕事が課題なのは変わらず。

FW
27 相馬勇紀 ―(89分 IN)
再度の勝ち越しを狙っての投入も、全体の運動量が下がっている中では得意の突破も効果は半減。スタジアムのテンションは上がったが、結果は残すことはできなかった。

監督
風間八宏 5.5
珍しく守備組織を明確に固め、ハーフタイムの指示もかなり現実的。勝負をかけたホームゲームで勝点2を落としてしまう試合展開は、余計に残念な印象が強まった。

G大阪――遠藤のゲームメイクは、もう少し“急”が欲しかった
【チーム採点・寸評】
G大阪 6
先制を許すもすぐ追いつき、突き放されるも粘り切って敵地での勝点1をもぎ取った。新戦力の宇佐美が攻撃の中心に立ち、貴重な同点ゴールを決めるなどポジティブな点の方が目立った印象。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6
安定したセービングで前半から決定機を幾度も止めた。失点は守備陣が崩されてのものであり、最終盤のピンチもビッグセーブで回避に成功。G大阪にとっては陰のMVP。

DF
13 菅沼駿哉 5.5
3バックの中央でビルドアップから対人守備まで力強さはあったが、押し込まれた時に下がりすぎてしまったところはマイナスポイント。後半はジョーとのマッチアップにことごとく勝ち、チームを勇気づけた。

19 キム・ヨングォン 6
正確な左足フィードと頑健な守備は攻守に貢献度も高かった。冷静なボールさばきは名古屋の前線を翻弄し、3失点目は許さなかった。

27 高尾 瑠 5.5
アカデミー時代を過ごした名古屋との“古巣対戦”に気合いのこもったプレーを見せた。同点ゴールの場面は果敢なオーバーラップから見せた1対1が起点に。

MF
7 遠藤保仁 6(68分OUT)
アンカーとしてゲームメイクを全面的に引き受け、1点目の起点となるフィードは見事のひと言。遅攻の展開作りは素晴らしかったが、もう少し緩急の“急”が欲しかったところも。

10 倉田 秋 6
運動量豊富に中盤でボールを動かし、フィニッシュにかかるスピードアップを担った。後半は左のワイドポジションでもプレーし、そこからの行動範囲の広さでもチームを助けた。

21 矢島慎也 5.5
倉田と同じく運動量で中盤を支え、最終ラインとの駆け引きでも走力を生かした。アンカーの位置を受け継いだ後半は小気味よいパス交換でゲームメイク。そのボールさばきは安定していた。

G大阪――中村はやや不完全燃焼
34 福田湧矢 5.5
右ワイドで精力的に上下動。キム・ヨングォンのサイドチェンジを引き出すフリーランは良かったが、裏腹の守備でスペースを空けすぎた感も。スペースランニングになかなかパスが出てこなかったのは残念だったが。

FW
9 アデミウソン 6 (82分OUT)
電光石火の突破で試合を一度は振り出しに戻す。その後はボールタッチの数が極端に減って存在感を失くした。彼がもっと絡んでくれば、後半は違う展開にできたはず。

MAN OF THE MATCH
33 宇佐美貴史 6.5
かなり自由度の高いポジショニングでFWというよりはMFとしての要素を前面に押し出しプレー。ボールを奪われない技術の高さと機を見たスルーパスはさすがのキレ。土壇場での同点ゴールはまさに値千金の価値があった。

38 中村敬斗 5.5 (56分OUT)
FW登録だが左ワイドでプレー。安定したボールタッチと突破を見せたが、あと一歩に物足りなさも。移籍前最後はやや不完全燃焼だったか。

交代出場
MF
8 小野瀬康介 6(56分IN)
インサイドハーフに入ってよくボールを動かした。運動量も多く、同点ゴールの場面では切れ味鋭いクロスで宇佐美の殊勲弾を演出してみせた。

FW
40 食野亮太郎 5.5(68分IN)
運動量の落ちてきたチームに推進力を出すべく投入され、切れ味鋭いドリブルとペナルティエリアへの侵入で名古屋守備陣に泡を吹かせた。決定的な仕事はなかったが、能力の一端はしっかり見せた。

FW
39 渡邉千真 ―(82分IN)
逆転ゴールを決める最後の一押しにと期待されたが、出場時間が限られすぎた。それでも惜しいクロスに飛び込む場面もあり、チャンスはあった。

監督
宮本恒靖 6
試合展開に合わせた戦い方と、明確な名古屋の選手への対応を見ればトレーニングの充実は見て取れた。大きく様変わりするメンバー構成をうまく操り、貴重な勝点1もしっかり手にしてみせた。

リンク元

Share Button