代表デビュー倉田の後悔 果たせなかったハリル監督との約束 Soccer Magazine ZONE web 8月6日(木)10時55分配信

約束は最終戦で

 手応えと、後悔が同居する代表デビューになった。東アジアカップで日本代表に初選出された倉田秋(G大阪)は、5日の第2戦日韓戦でスタメン出場。左アタッカーとしてピッチに立ち、日本代表初出場を果たした。

G大阪の下部組織で育った生え抜きは、2007年にトップチームへと昇格した。常にタイトル争いに顔を出す強豪の中で、徐々に出場機会をつかんでいっ た。しかし、10年には期限付き移籍で千葉へ、J2でのプレーを経験した。翌年には同じ大阪のライバルである、C大阪へ再び期限付き移籍を経験している。 試合出場を通じて成長し、12年にG大阪へ戻った。名門のJ2落ちも経験し、悔 しさも味わった。そして、昨季はG大阪の国内3冠制覇に大きく貢献。ついにつかんだ日本代表の座だった。

前半は特に韓国に主導権を握られる時間が長く、守備に追われた。持ち味を発揮できるようになったのは、後半の10分ごろから。試合開始からハイプレスに 出た韓国の足が止まり始めた時間帯だった。インサイドハーフに入った山口蛍(C大阪)とのコンビネーションや、左サイドから中央に切り込んでいく動きで チームの攻撃にアクセントをつけた。「蛍とはセレッソで一緒にやっていたし、細かいところで崩すのが自分の持ち味。相手はついてこられなかった」と、日本 が主導権を握ることができた時間帯のプレーには手応えがある。

一方で、「それをもっと繰り返さないと」と、時間の経過 と共に韓国にペースを奪い返された試合展開を悔やんだ。1-1の同点で迎えた後半だけに、先に日本が得点をできれば、勝ち点3を得るチャンスはグッと高まったからだ。

倉田には、ハリル監督との約束があった。

「常にゴールを取れと言われ、『僕が取ります!』と約束していたので、僕が1点取っていれば勝てた。取れなかったのが残念。ミーティングでも取らなあかんと言われていたので、その期待に応えられなくて悔しい」

ピッチ上で光るものは見せた。それだけに、結果で起用に応えられなかったのが何よりも悔しかった。「勝ちたかったというのが率直なところ」という言葉には、無念さがにじみ出ていた。

9日の大会最終戦となる中国戦で、ハリル監督の言う海外組も含めた「 真のA代表」への生き残りを懸ける。

Share Button