“ハリル秘蔵っ子”井手口、報道陣からダッシュで逃亡「選ばれたら、頑張ります!」

日本サッカー協会は4日、11日の親善試合、オマーン戦、15日のロシアW杯アジア最終予選第5戦、サウジアラビア戦に向けた代表メンバー25人を発表した。

海外組で好調のFW大迫勇也(26)=1FCケルン=が約1年4か月ぶり、FW久保裕也(22)=ヤングボーイズ=が約4年8か月ぶりに復帰し、リオ五輪代表MF井手口陽介(20)=G大阪=が初招集。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は、負ければW杯が遠のくB組首位のサウジ戦に向けて奥の手“4トップ”導入も示唆。期待の井手口には賛辞を贈った。

20歳2か月12日とハリル・ジャパン最年少で招集されたG大阪MF井手口は、クラブを通じて「素直にうれしいと思いました。驚きはありましたが、選ばれたからにはしっかりと結果を残せるように頑張ってきます」とコメントした。この日は発表前の午前中に大阪府吹田市内のクラブハウスを訪れたが、代表入りを期待する報道陣に「選ばれたら、頑張ります!」とだけ語り、ダッシュで“逃亡”。シャイな性格で注目を集めることは苦手だが、ピッチでは今季急成長を遂げた男が、A代表に食い込んできた。

今年3月2日のACL・メルボルンV戦を視察した際に「興味深い」と目を付け、追跡を続けてきたハリルホジッチ監督は「本当に能力がある。得点も取ります。非常に良い選手。(ボールを)奪うところも、フィジカルも伸びています。毎試合どんどん伸びている」と大絶賛。プレースタイルはC大阪MF山口と共通する部分が多く、鋭い寄せからのボール奪取力が最大の武器。さらに豊富な運動量で攻撃にも絡み、ここ3試合で3ゴールと得点力も開花してきた。

14年に高校3年生でトップチームに昇格し、今年がプロ3年目。G大阪では近年MF遠藤、今野という元日本代表2人がボランチのポジションを占めてきたが、今季リオ五輪後には遠藤をトップ下に“押しのけて”レギュラーに定着した。その遠藤からゲームコントロールなど“攻”を、今野からはボール奪取など“守”を、代表経験も豊富な2人から技を盗み、成長してきた20歳。伸びしろも十分の若きボランチは、まずは11日のオマーン戦で活躍を見せ、ハリル・ジャパンに新風を吹かせる。(金川 誉)

◆井手口陽介メモ

▽生まれ&サイズ 1996年8月23日、福岡県生まれ。171センチ、69キロ。

▽サッカー歴 小学生時はアビスパ福岡のスクールなどに通っていたが、中学から大阪に引っ越してG大阪のジュニアユースへ。G大阪ユースを経て14年に飛び級でトップ昇格。リオ五輪はチーム最年少でメンバー入り。今年ルヴァン杯でニューヒーロー賞獲得。

▽家族&兄弟 昨年末に中学の同級生・夏海さんと結婚、6月17日には第1子の長女、愛希(ひなの)ちゃんが誕生。兄の井手口正昭(28)もプロサッカー選手で、現在はベトナムリーグのホアン・アイン・ザライでプレー。

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