宇佐美、見せ場なし 引いてる相手崩せず「初戦の難しさ出たのかな」 スポーツ報知 6月17日(水)7時4分配信
◆2018年ロシアW杯アジア2次予選 ▽E組第1戦 日本0―0シンガポール(16日・埼玉スタジアム)
FW宇佐美貴史(23)=G大阪=が落胆の無得点に終わった。シンガポール戦で国際Aマッチ2試合連続となる先発を左FWで果たしたが、後半途中に無念 の交代。ノーゴールに終わり、2018年ロシアW杯に向けた初戦で日本に勝ち点3を呼び込めなかった。新生・サムライブルーの象徴は、バヒド・ハリルホ ジッチ監督(63)の期待に応え切れなかった。
これが本番の重圧か。W杯予選初出場のFW宇佐美がノーゴール。自慢のドリブルも、J1トップの10得点を挙げた決定力も影を潜めた。「ラストを決め切 れればというゲーム。それができず、ズルズルと行ってしまった」。格下相手にゴールを最後まで割れなかった責任を負った。
開始直後の1分に日本の初シュートを放って戦闘意欲を見せた。しかし、プレーは空回りの連続。前半だけで12度のスプリント(時速24キロ以上のダッ シュ)を計測したが、放ったシュートは1本。ゴール前を固めたシンガポールの戦術は想定内。「後ろを固められたら個ではがすプレーが必要」と語っていた通 り、後半7分には左サイドをドリブルで駆け上がったが、ゴール正面でボールを受けて打ったシュートはクロスバーのはるか上を通過。「(初戦の緊張は)特に 感じていなかったが、難しさが出たのかな。個の力でゴールを取れれば、チームが勢いを出せたと思うが、できずに悔しい」
ロシアへの第一歩となる一戦で先発で起用したハリルホジッチ監督の期待は十分感じていた。「上の世代に頼ってばかりではいけない。僕らが引っ張っていく 気持ちを持たないと、チームは底上げされない」。自分への期待を意識したコメントで試合前は自らを鼓舞。それでも結果は出なかった。指揮官も「ものすごい 才能を持った選手だ」と、23歳の潜在能力を絶賛していたが、勝利をもたらすことはできなかった。
FW本田と同じG大阪のジュニアユース出身。ユースに上がれず石川・星稜高へ進んだ背番号4とは違うエリート街道をまい進。称賛を浴び続けてキャリアを 重ねてきたが、W杯予選の真剣勝負ではひ弱さを露呈した。「あこがれや尊敬ばかりではいられない」と逆サイドにいる大黒柱を意識していた。しかし、カズ (横浜C)も背負った11番をつけた天才は、輝きは放てなかった。