宇佐美はハリル体制で機能するか 代表通算44得点を挙げる岡崎の考察 Soccer Magazine ZONE web 6月12日(金)17時17分配信

初先発で見せた最高の連係

 現在、Jリーグを湧かせるアタッカーは、2018年のロシア・ワールドカップを目指すハリルジャパンで、その才能を存分に生かすことができるのだろうか――。

日本代表FW宇佐美貴史(G大阪)は11日、国際親善試合のイラク戦で代表初先発を果たして1アシストを記録するなど、4-0の勝利に貢献。前半33 分、宇佐美からのラストパスを受け、チーム3点目を決めたFW岡崎慎司(マインツ)は、宇佐美に関する収穫と、伸びしろについて考察を示した。

最高の連係だった。MF香川のパスを本田がワンタッチで柴崎に落とし、絶妙なタイミングでDFラインの裏のスペースに走り 込んだ宇佐美にパスが出た。

岡崎は、自らの得点の場面をこう振り返った。

「すごく選手が動くので、スペースが空いて、そこで宇佐美がドリブル突破して、最後は自分にスルーパスを出す形だった。コースは甘かったので、運が良かったと思う。もう少し正確にコースを打ち分けることが自分には必要」

宇佐美がドリブルでマーカーを引きつけ、フリーとなった岡崎にラストパスを通した。そして、岡崎は左足でフィニッシュ。香川、本田、岡崎という代表をけん引する欧州組と、宇佐美が融合した瞬間でもあった。

宇佐美もかつては海外組だった。バイエルン・ミュンヘンやホッヘンハイムでプレーし、デュッセルドルフで行われる日本人選手による食事会にもたびたび参加し、ドイツ組として親交は深めていた。

「岡ちゃんがいいところに動いてくれたので、出すだけでした」

宇佐美も、大先輩を「岡ちゃん」と呼べるほどの信頼関係が存在する。

一方、岡崎は宇佐美の良さについて言葉にする。

「コンビネーションもできるし、ドリブル突破もできるという意味では、なんでもできるタイプ。チームとしてもあそこで起点をつくれるのは、すごく選択肢が 増える。あいつの最大の良さは突破すること。もっとあいつの良さを引き出す形がつくれれば、あいつにも得点チャンスが増えると思うし、個人的にも生かせる ようにしたい」

パサーとしても、ドリブラーとしても良し。全ての能力を兼ね備えているとしながらも、最大の武器は局面突破力だという。 この日の3点目は、その宇佐美の良さをクローズアップさせるシーンでもあった。

岡崎が語る、ハリルジャパンでの宇佐美の伸びしろ

 昨年のブラジルW杯で1次リーグで敗退し、今年のアジア杯でも8強で大会を去った。日本代表をレベルアップさせる存在になり得るのか。岡崎はハリルジャパンにおける宇佐美の伸びしろについて言葉を重ねる。

「それは個人ではない。チームとしてフリーでボールを受けられる形をつくれたらいい。あいつも、もうちょっと裏を狙えば、もっとシュートまでいく形ができると思う。チームとしてやっていけば今後よくなっていくと思う」

岡崎、本田、香川、そして、左サイドバックの長友を含めた4人にはあうんの呼吸が存在する。宇佐美をフリーな形でボールを持たせるためのボール回 し、崩しというイメージをチームとして持つことの重要性を指摘した。

そして、宇佐美自身にはDFラインの裏のスペースをより積極的に狙うことを岡崎は要求している。

現在の代表には柴崎、香川、そして、本田という前線にパスも出せるタイプの選手がいる。絶え間ない動き出しでDFラインの隙を狙う岡崎同様に、「裏」という意識を宇佐美が持つことで、チームとしても崩しのバリエーションを増やすことができるのかもしれない。

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