【G大阪】GK東口が“ポロリ失点”の失態も、丹羽は「ヒガシがやらかす時は勝っている」

大失態を犯した守護神に声を掛けたのは――。「OK、OK。次、行こうぜ!」

 J1第2ステージ2節のG大阪対仙台戦、G大阪のGK東口順昭に“まさか”のミスが生まれたのは54分だった。

仙台のCK、キッカーは梁勇基。ボールは中央に送られ、両軍が激しく競り合うなか、ハモン・ロペスが頭で合わせる(この時、R・ロペスはマークする米倉をプッシュしており、ファウルの疑惑も)。シュートはワンバウンドし、GKの正面に飛んだ。

なんの変哲もないシュートだった。決して強烈だったわけでも、強烈なスピンがかかっていたわけでもない。GKの正面でワンバウンドしたとはいえ、身体の正面でキャッチに行けば難なく取れるような球筋。ところが、その時に“まさか”は起きた。

東口は胸の前に来たボールを両手でキャッチにかかる。しかし、わずかに目測を誤ったのだろう。キャッチしたはずのボールは手をすり抜け、自身の左脇の方 向へ逸れてしまう。すぐさま身体をねじってボールを拾いにかかるが、時すでに遅し。そのまま自陣のゴールに吸い込まれた。

がくりとピッチに倒れ込む東口。G大阪の選手たちも肩を落とし、頭を抱え込んだ。この時、大失態を犯した守護神に声を掛けたのが、CBの丹羽大輝だった。

「OK、OK。次、行こうぜ!」

東口を励ますように、そしてチームを鼓舞するように周囲に語りかけたという。その場面について、丹羽は「ヒガシと苦笑いしながら、そんな話をしていた」と振り返り、さらにこう続けた。

「だって、下を向いていてもしょうがないですから。サッカーはミスのスポーツなので、誰がヒガシを責めるわけでもない。今日も再三、コーチングをしてくれていたし、チームを助けてくれていた」

もっとも、試合の流れは東口のミスを境に変わった。同点に追いつかれたG大阪は、仙台に一層押し込まれる形になり、2失点目の雰囲気すら流れていたのだ。

そうした悪い流れを払拭したのが途中出場のパトリックだった。2ゴールを叩き込み、3-1と完勝。結果的に、東口の“ポロリ失点”は、勝利の良い味付けになったとも言える。

「ヒガシがやらかした時は勝っている。みんなに『持ってるな~』って言われていた」(丹羽)

 東口の“ポロリ”は、実は今季二度目だ。第1ステージ12節、G大阪対磐田戦の17分。小林祐希のFKに反応した際、タイミング的には十分にキャッチ可能だったが、両手で取りいき左脇を抜けて失点した。

また昨季第1ステージ5節、清水対G大阪戦では、“ポロリ”ではないものの失態を犯している。東口がゴール前でボールをキープするも、その背後に隠れていた大前元紀にボールを奪われて失点。長谷川健太監督から「軽率なプレー」とお灸を据えられた。

そうした背景を知ったうえで、丹羽は冗談交じりにこう語るのだ。

「何かヒガシがやらかす時は、チームが勝っているんですよね。去年もそうだった(笑)。みんなに『持ってるな~』って言われていた」

実際、前述の磐田戦(2-1)と清水戦(3-2)は勝利を収めている。それだけに丹羽が口にした「持っている」との言葉にも頷けず。

「なによりチームが勝ったことが大きい。(ミスするのは)あまり良くないことなんですけど、結果的には良かった」(丹羽)

終わってみれば、守護神のミスをチーム全体で上手くカバーし、G大阪は2試合連続3ゴールで連勝。ミスが起きた時だけでなく、チームの良い勢いを加速させる意味でも、この一言は汎用性が高そうだ。

「OK、OK。次、行こうぜ!」

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