“宇佐美ショック”を払拭する完勝劇。真価が問われる次節、手応えを確信に――

「今日の良い流れを次につなげていきたい」(遠藤)。

[J1・第2ステージ1節]鹿島 1-3 G大阪 7月2日/カシマ

第1ステージは6位と不本意な成績に終わった。さらに、攻撃の核でもある宇佐美貴史が今夏、自身二度目の欧州移籍を決断。戦力ダウンが囁かれるなか、鹿島の本拠に乗り込んだG大阪は、充実の戦いぶりで第2ステージのスタートを切ることができた。

先制される嫌な展開も、すぐさま大森晃太郎のゴールで追いつき、後半にはCKのチャンスに今野泰幸がヘッドで逆転弾を捻じ込み、さらに金正也が再び、CKから勝負を決定づける3点目をゲット。鮮やかな逆転勝利で上々の滑り出しを見せた。

第1ステージ王者を敵地で破って手にした価値ある勝点3について、試合後の記者会見で長谷川健太監督は「素直に嬉しく思う」と語る。その言葉に嘘偽りは ないだろうが、いつまでも喜びに浸っているつもりはない。バスに乗り込む直前には、その表情をグッと引き締め、気持ちはすでに次の試合に向けられていた。

「ファーストを見ていても、“乗り切れない”。良いゲームをやった後、なかなか続かなかった。セカンドは本当に、こういうゲームをしっかり続けていけるかどうかがポイント」

第1ステージの力関係を踏まえれば、アウェーゲームという点を考慮しても、この鹿島戦は難しい一戦になってもおかしくはなかった。しかし、国内三冠を経験済みの指揮官は、むしろ大きなチャンスと捉えていた節がある。

「鹿島はもう優勝しているし、みんな『やってやろう』という気持ちのほうが強かったはず。今日は別に黙っていても、みんな気合いが入っていただろうから」

問題は次。この勢いを持続させることが、目下の課題と見ている。遠藤保仁も「今日の勝ちは非常に大きいと思いますけど、次の試合も勝点3が取れるように。今日の良い流れを次につなげていきたい」と同調する。

現在のチーム状態に、長谷川監督は一定の手応えを得ているようだ。

「ヤット(遠藤)もだいぶゲームをコントロールできるようになってきたし、シュウ(倉田秋)のボランチも様になってきた。そこは後半戦に向けたプラス材料だと思う」

第1ステージ途中から続く「トップ下・遠藤」も継続する構えだ。

「守備の負担がだいぶ減ったと思うし、彼の良いところを出しやすくなった。相手の嫌がるところでボールを受けるし、回らなかったらちょっと落ちてきたり、ゴール前にも入っていける。非常に頭を使いながら、彼らしい動きをしてくれるのはチームにとって大きい」

懸念された“宇佐美ショック”は、ひとまず杞憂に終わった。真価が問われる次節でも、G大阪らしいサッカーを披露して勝利を掴み、手応えを確信に変えたい。

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