G大阪サポレポ vol.39 超過密スケジュールの中 2015/05/02
・まるで獲物を狙うヒョウのように…
1stステージ第7節、ホームでの新潟戦。本当にタフなゲームだった。
序盤、新潟は前線からの効果的なハイプレスを展開し、ガンバ大阪はなかなか前線にボールを収められない時間帯が続いた。この日はパトリックに代わってリンスが今季初先発となったが、激しいチェックに戸惑いを見せるシーンが多く、なかなか攻撃の起点となることができなかった。新潟は2人のシウバを中心に度々ゴールマウスを脅かす。前半は、風上だった新潟のペースで試合が進んだ。
しかし、どれほど良い試合内容を見せようとも、サッカーで必要なのは点を取ることだ。
48分。相手GK守田が見せた一瞬の隙を宇佐美は見逃さなかった。貪欲に獲物を狙うヒョウは相手の死角に入り込むと、背後からガブリと噛みついた。ゴール後は、前々節の清水戦で同じ失敗をした東口に茶目っ気たっぷりに合図をしてスタジアムを沸かせた。
これで勢いづくかと思われたが、しだいに選手の足が止まり始める。22日の広州富力戦から中3日という超ハードスケジュールが選手たちを苦しめているのは明らかだった。67分、人数は揃っていながらレオ・シルバと鈴木武蔵のワンツーに足を出しきれず、同点に追いつかれてしまう。
最後の力を振り絞り、決勝点を狙いにいくガンバはその後、阿部と倉田が相次いでゴールを狙うが、無情にもポストに阻まれてしまった。
このままドローか。そんな考えが頭をよぎった84分。前線でパトリックが相手DFを背負いながらボールを受けると即座に反転し、左足で強烈なボレーシュートを放つ。これがゴール左隅に突き刺さり、決勝ゴールとなった。マシンガンパフォーマンスを決める重戦車の一発は文字通り、スタンドのサポーターのハートを打ち抜いた!
足も止まるほどの疲労の中、総力戦で勝ち取った勝ち点3はタイトルの行方を大きく左右することになるだろう。
・超・超・超過密日程
ガンバのスケジュールは今後も非常にハードだ。中2日で松本戦。そこからまた中2日で浦和戦。そしてGWの最後にACLの城南FC戦を戦う。正直言ってめちゃめちゃなスケジュールだ。
日程を確認するたびにJリーグは選手の目線に立っていないとつくづく思う(社会人のゆるい草サッカーでも10日で4試合はきつい…)。
浦和レッズがフルメンバーを使わないままあっけなく敗退し、「ACLを捨てた」と非難されているが、それも仕方ないと思う。ペトロヴィッチ監督の選択も批判されるべきだが、それ以上に無理な日程を組むJリーグとスポンサーも非難されるべきではないだろうか。
しかし、青黒の選手たちは、どれだけ厳しくともすべての試合に本気で挑む。予選リーグ突破が危ぶまれても決してACLを捨てたりしなかった。
過酷なコンディションの中、走りぬく選手。限られた戦力でタクトを振るう長谷川監督。必死に選手の疲れを取ろうとするスタッフたち。ホームでもアウェイでも、それが異国の地であっても駆けつける熱狂的なサポーター。
皆の努力が、今のガンバの快進撃を支えている。そういう姿勢を見れば見るほど、ガンバ大阪がますます好きになる。