【J1採点&寸評】G大阪×磐田|G大阪が苦戦しながらもホーム公式戦6試合ぶりの勝利。決勝弾の遠藤は評価に値する

G大阪――磐田にペースを握られるなか、遠藤がしたたかに決勝弾を決める。

【チーム採点・寸評】
G大阪 6
調子が上がらなかったアデミウソンと遠藤にゴールが生まれた点は今後につながる。もっとも、試合を通してはミスが多く、お互いのイメージが合わない場面も散見。吹田スタジアム公式戦6試合ぶりの勝利も課題の残る内容だった。

磐田 5.5
ボール支配率では下回ったが、G大阪の強力な攻撃陣の良さを消し、カウンターを狙う戦術はハマっていた。幸先良く小林のゴールで先制しただけに、自分たちのミスや集中力の欠如から失点しての敗戦に、名波監督も「(勝点)3を取れた試合がゼロになってしまった」と悔やんだ。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5
小林のFKはコースに入っていたが、バウンドの目測を見誤って失点。キックフィードの精度もさほど高くなく、チームメイトに助けられた試合だった。

DF
4 藤春廣輝 6
宇佐美がポジションを変えた際、サイドに生まれるスペースを徹底して活用した。太田に押し込まれる場面はあったものの、決定的な仕事はさせなかった。

5 丹羽大輝 6
岩下とのCBコンビで最後の砦に。35分には山本のミドルシュートに飛び込んで顔面ブロックするなど、泥臭くゴールを守った。

8 岩下敬輔 6.5(85分OUT)
新スタジアム初出場。アダイウトンと激しい肉弾戦を繰り広げながら、セットプレーではヘッド2本を放つなど、気迫溢れるプレーを見せた。接触で頭部を痛めた後も85分までプレーを続け、「戦う姿勢は見せられたと思う」。

14 米倉恒貴 6
攻撃面では29分にアデミウソンにピンポイントクロスを供給した以外に見せ場はなかったが、アデミウソンの分まで守備で奮闘した。

MF
7 遠藤保仁 6.5
22分、相手CB2枚の間をするすると抜けてGKと1対1を迎えるも、好セーブに遭ってチャンス逸。キレのなさが目に付く場面もあったが、66分の1対1 ではしっかり相手の動きを見極めてコースに逆転弾を流し込んだ。吹田スタジアム公式戦6試合ぶりの勝利の立役者となり、「これから巻き返します!」と誓っ た。

9 アデミウソン 5.5(78分OUT)
守備が緩く、周囲との連係も合わず完全に“浮いた存在”になっていた。しかし、前半終了間際のターン→シュートで同点弾をお見舞い。5試合ぶりのゴールで気持ちも少しは晴れただろうが、58分に決定機を外してしまい、トータルでは及第点を下回る。

15 今野泰幸 6
時には最前線まで、プレッシャーに飛び出してチームを鼓舞。アダイウトンへのくさびへの対応は実に巧みだった。

21 井手口陽介 5.5
U-23日本代表のガーナ戦から中1日の強行軍でフル出場。今野とボランチのコンビを組んだが、持ち前のボール奪取や攻守の素早い切り替えはほとんど見られなかった。

FW
29 パトリック 4.5
磐田の周到なオフサイドトラップに苦戦。フラストレーションを溜め、得意のフィジカル勝負に持ち込めない影響でボックス内への侵入も制限されて、パンチ力に欠けた。

39 宇佐美貴史 6(83分OUT)
左サイドから流動的にポジションを変えてチャンスメイク。アデミウソンのゴールの起点となった点は評価に値するが、やはりこの男はフィニッシャーとしてのほうが恐い。

交代出場
MF
11 倉田 秋 ―(78分IN)
左サイドハーフに入り、84分にはセカンドボールを拾ってカウンター。得点にはつながらなかったが、スピードと推進力で追加点への意欲を見せた。

MF
25 藤本淳吾 ―(83分IN)
出場時間が短くボールタッチの回数は限られた。その分、フレッシュな状態を活かして精力的にボールホルダーを追いかけ、攻撃をスローダウンさせた。

DF
6 金 正也 ―(85分IN)
守備固めでの起用。89分、スペースに抜け出したアダイウトンに粘り強く並走し、球際でも競り勝ってマイボールに。このワンプレーだけでも起用に応える内容だった。

監督
長谷川健太 6
前線の配置を変えて、停滞するムードの払拭を図る。“リアクション”の時間帯が長く、システムや交代起用が的中したわけではないが、選手全員に改めて「戦う姿勢」をすり込んだ部分は意義があった。

磐田――小林のゴールは秀逸も、最終ラインの隙を突かれて2失点。

【磐田|採点・寸評】
GK
1 八田直樹 5.5
カミンスキーの故障でリーグ戦初出場。22分に遠藤のシュートを右手1本で防ぐファインセーブ。1点目を失った後も気落ちせずに踏ん張っていたが、最終ラインとの連係の隙を突かれて決勝点を許してしまった。

DF
3 大井健太郎 5
スペースに先回りして行く手を封じるなど「対パトリック」では十分役割を果たした一方、前半終了間際に相手選手の「スルー!」の声に惑わされて対応が遅れて失点。「僕のせいで負けてしまった」と悔しさを滲ませた。

5 櫻内 渚 5
ラインを上げる際に遅れる場面があり、攻撃に出て行くこともできない“どっちつかず”の状態に。終了間際に訪れた同点のチャンスでもクロスに合わせ切れなかった。

35 森下 俊 5
サイズで11センチ上回るパトリック相手に真っ向勝負。粘り強く堪えていただけに、攻守が切り替わった一瞬の隙を突かれた2失点目が痛かった。

MF
2 中村太亮 5.5(76分OUT)
対面のアデミウソンを警戒して最終ラインに近い位置取り。守備面で奮闘した一方で、持ち前の攻撃力はウイングバックに入った時に活かし切れていない。

4 小林祐希 6
スリッピーなピッチを意識し、短い助走からGKの手前で落ちるボールを放って先制ゴール。違いを生み出すプレーは随所に見られたが、「もう1点取ってあげたかった」と自省した。

9 太田吉彰 5.5(85分OUT)
激しく上下動を繰り返しつつ、左右も幅広くカバー。豊富な運動量で局面には顔を出したものの、最後のプレーの精度を欠き、チャンスを演出し切れなかった。

13 宮崎智彦 6
山本との距離感が良く、前後関係を築いて中盤のフィルター役に。宇佐美の突破も巧みなカバーリングで引っ掛けてボールを奪った。終盤は左SBにスライドしてプレー。

22 松井大輔 5.5 (65分OUT)
巧みにセカンドボールを拾いながら、守備では労を惜しまずプレッシング。小林との良い連係が見られる場面もあったが、35歳初のゲームを勝利で飾れなかった。

23 山本康裕 5.5
中盤の激しい肉弾戦で消耗。宮崎のサポートで持ちこたえていたが、3バックを使用した過去2試合に比べると存在感は薄かった。

FW
15 アダイウトン 5.5
スピードと瞬発力でカウンターのスイッチ役に。29分、クロスに飛び込むも渾身のヘディングシュートはバーの上。ボックス内で直線以外の動きのバリエーションが欲しい。

交代出場
MF
11 松浦拓弥 5.5(65分IN)
ボールをキープしながら味方のサポートを待つも、イメージが合わずにボールロスト。出場直後に失点した嫌な流れを絶ち切れなかった。

MF
40 川辺 駿 ―(76分IN)
2試合ぶりの出場。攻撃の活性化が求められたが、G大阪に押し込まれる時間帯が長く、見せ場を迎えることなくタイムアップ。

MF
7 上田康太 ―(85分IN)
7節以来の出場も、G大阪ムードのなかでは少々荷が重かったか。チームを攻撃に軸足を置かせることができず、最後はボールを持った瞬間に試合終了の笛が鳴った。

監督
名波 浩 5.5
ハーフタイムにラインコントロールの修正を呼びかけながら、2失点目は一瞬の隙を突かれたもの。「主導権を握っていたのは我々」(名波監督)なのは事実だが、勝点3を失ったのは痛手だった。

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