【日本代表】紅白戦で躍動したハリルの申し子。宇佐美貴史は今年も重要な戦力になる

ボールホルダーに素早く寄せ、テンポ良く捌いて裏に抜け出す。

 3月9日の日本代表候補キャンプ最終日には、ピッチのスペースを狭めた11対11の紅白戦が行なわれた。

選手同士の距離感を意識したゾーンディフェンスや、少ないタッチ数で前に素早くボールを運ぶなど、チームの基本コンセプトが共有されているかを最終チェックするゲームで、及第点以上のパフォーマンスを見せていたのが宇佐美貴史だった。

システムはともに4-2-3-1で、白ビブス組に入った宇佐美は2列目の左サイドでプレー。1本目から攻守にキレの良い動きを見せ、守備ではボールホルダーに対して素早く寄せ、攻撃ではテンポ良くボールを捌いて裏に抜け出していく。

とりわけ守備面での集中力の高さは目を引き、宇佐美のファーストディフェンスが相手の攻撃を遅らせて、白チームは勢いを増していった印象だ。

そして開始から7分後には、右サイドを抜けた小林悠のクロスを浅野拓磨がスルーしたところに、走り込んだ宇佐美が正確なシュートでネットを揺らしてみせた。

手応えについて聞けば、「(今回のキャンプは)ほとんど確認のような練習だったので。刺激をもらえたという意味では、その手応えはチームに持ち帰りたい」と語る。

宇佐美が話すように、3日間の練習を振り返ると、最後の紅白戦を除けば、攻撃でも守備でもチームの基本戦術を再確認&徹底する内容がほとんどだった。ともすれば単調になりがちなトレーニングが続くなかで、宇佐美自身も黙々とメニューをこなしていった。

だからこそ、自由度が増した紅白戦では、その躍動感が際立っていたのだろう。タッチ数こそ1~2タッチに制限されていたが、監督がプレーを止めるようなことはなく、選手たちはそれぞれの持ち味を発揮できていた。

より実践的な練習になれば、宇佐美のような“型にハマらない”タイプはさらに輝きを増す。本人も「ああいう練習が増えてくれば、(自分のプレーも)出しやすかったとは思いますけど」と自信をのぞかせる。

昨年は全13試合を戦ったハリルジャパンにおいて、唯一、すべての試合でピッチに立ったのが宇佐美だ。いわばヴァイッド・ハリルホジッチ監督の“申し 子”である。チームコンセプトを深く理解しているひとりであり、紅白戦でもそれをしっかりと表現したうえで、存在感を放っていた宇佐美は、今年もハリルジャパンの重要な戦力になりそうだ。

リンク元

Share Button