【G大阪】苦しみながらもターンオーバーを継続した長谷川監督が得た手応え

軽傷のパトリックとアデミウソン、さらに藤春ら主力を休ませながら今季初勝利を掴む。

 G大阪が主力の一部を欠いた甲府戦で1-0と勝利し、公式戦5試合目で今季初勝利を挙げた。

36分、プロデビュー戦となったDF初瀬の左足クロスを、FW長沢が頭で合わせて先制。その後はリスクを負わず、ボール支配率を高めてチャンスを作る。追加点こそ奪えなかったが、試合の主導権は譲らずにクリーンシートで勝ち切った。

長谷川健太監督は「初先発の選手たちが、よくしっかりとプレーしてくれた。甲府に対してある程度シュートが打てた(10本)し、決定機も作れた。1点しか取れていないが、攻撃の迫力が出てきた」と納得の表情を浮かべた。

この試合、G大阪は軽度の負傷を抱えるFWパトリックとMFアデミウソン、さらに開幕から4戦すべてにフル出場してきた日本代表DF藤春に休養を与え、ベンチ外とした。

そんななか、指揮官は4-4-2システムを選択し、2トップには宇佐美と長沢を起用。ボランチの遠藤を積極的に攻撃参加させ、その相方には売り出し中のU-23日本代表の井手口ではなく、内田を今季初先発のピッチに送り出した。

藤春に代わる左SBには、今季ユースから昇格したばかりの初瀬を抜擢。右利きだが、中学時代から元日本代表MFの中村(横浜)に憧れ、磨いたという正確 な左足のキックが武器のU-19日本代表候補DFは、決勝アシストに加え、守備でも及第点の働きを見せた。「思い切ってやってこいとみんなに言われてい た。絶対に負けない、という気持ちを持って戦った」との言葉通り、フル出場で勝利に貢献した。

長谷川監督はローテーションの継続を示唆。

 また、FWの長沢は、192センチの長身を活かして今季初ゴール。「すごく良いボールだったので、僕は触るだけでした。この前先発した試合(J開幕戦の鹿島戦)は結果を出せなくて悔しかったので、きょうはなんとしても結果が欲しかった」と振り返った。

千金弾に加え、前線で起点となるポストプレーや積極的な守備でも貢献。ここまではACLではパトリック、リーグ戦は長沢が先発起用され、大型FWふたりのポジション争いが繰り広げられているが、ブラジル人FWにはない献身的な持ち味で存在感を示した。

さらにもうひとり、14年11月に負った左膝前十字靭帯損傷からの復帰後、リーグ戦では初先発となったのが内田。CBの2枚と連係して、甲府の1トッ プ・2シャドーをケアする仕事をまかされ、甲府のFWクリスティアーノの迫力ある突破に苦しむ場面もあったが、85分に交代するまでバイタルエリアの番人 として無失点に貢献。「0点で抑えられたことはよかった。本当はもっと攻撃に絡む仕事もしないといけないけれど、まずはしっかりと守備の仕事を果たそうと 思っていた」と安どの表情を浮かべた。

長谷川監督は今季、Jリーグ、ACLと過密日程を戦うなか、ローテーションで選手の疲労を軽減させる方法を選択している。そのなかで開幕から前節までは2分2敗と勝利を掴めなかった。

「勝利がないとプレッシャーが掛かってきて、新しい選手を使い難くなる。その手前ギリギリのところで勝てた。選手はプレッシャーから解放されて良い方向に行ってくれると思う」と指揮官。生みの苦しみは味わった分、多くの選手が今後戦力として起用できる目処が立った。

G大阪は、昨季も3月22日の甲府戦でリーグ戦初勝利を飾ると、波に乗って公式戦8連勝につなげた。今季もこの勝利が春の目覚めとなるか。

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