【G大阪】“今季初の大誤審”に丹羽が猛抗議。顔面ブロックがPK判定となり、「審判も(誤審を)認めていた」

「顔が思いっきり赤く腫れてて……(笑)。ヤットさんにも『赤く腫れてるでしょ?』って」(丹羽)

 問題のシーンが起きたのは、G大阪が1点ビハインドで迎えた55分頃だった。広島の柏がエリア内に侵入し、左足でクロスを供給。対応したCBの丹羽は全身を投げ出し、身を挺したスライディングで止めに入る。

ボールが丹羽に当たった瞬間、飯田主審の笛が鳴り響く。毅然とした態度で下したのは「PK判定」だった。丹羽は鬼気迫る形相で主審に詰め寄るも、聞き入 れる様子がないと見るや、第4審判にまで猛抗議。結局、判定は覆らないまま、広島の浅野がPKを沈めて0-2。この失点が試合の流れを大きく左右した。

試合後、ミックスゾーンに現われた丹羽は開口一番、「まずは広島さんに『おめでとうございます』と言いたい。水曜日にACLもあるので、次に試合に向けて切り替えるしかない」とコメント。話が“問題のシーン”に及ぶと、淀みなく言葉が溢れた。

「試合が終わった後に、審判の方は(誤審を)認めていましたよ。飯田さん(主審)も言っていました。今日は負けてしまってすごく悔しいし、チームにとってあの2失点目(PK)が、間違いなく大きかった」

猛抗議の際、丹羽が主張していたのは単純明快。ボールが当たったのは手ではなく顔という点だった。その状況について、本人はこう説明する。

「顔面に(ボールが)当たって、顔が思いっきり赤く腫れてて……(笑)。ヤットさんにも『赤く腫れてるでしょ?』って。(主審の)飯田さんにも言ったら、ちょっと笑ろてまうぐらいの感じで赤くなっていて」

試合後に審判団と言葉を交わし、わだかまりはないという。「人間なのでミスはあると思いますし、僕らもサッカーはミスのスポーツだと思っている」と理解を示す。そして、「(PK判定を受けた後)自分のなかで切り替えてやれていた」と胸を張った。

逆境や試練を糧に、マイナスをプラスに――それがG大阪の5番を継承した丹羽という男である。

 丹羽は今回の“誤審”を詰問するでもなく、「こういうタイトルマッチというか、ビッグゲームでこういうことが起きてしまったのは事実。今後こういうこと が起こらないように、日本サッカー界として考えていけばいい。僕がそのきっかけになれればいいかな、というぐらいの感じ」と、清々しい表情で語る。

さらに、サッカー少年の未来まで見据えて、こう続けるのだ。

「少年たちも今日の試合を観ているわけですし、そういう子どもたちがプロになった時、『昔、丹羽選手にこういうことがあって、僕らがプロになってからなくなったね』というのがワンシーンでも増えれば、僕はすごく幸せ。それぐらいの気持ちでいます」

ある種、割り切ったような表情で言葉を紡ぎながら、一瞬、間が空いた。丹羽は「ただ……」と語り出す。

「サポーターの方には、すごく申し訳ないという気持ちがある。ここから取り返せるかどうかは、自分たち次第だと思う。僕はサッカー選手として、また成長さ せてもらいましたし、人としても成長させてもらえる機会を得たので、これを良い教訓にしていきたい。ACLでもいろんな笛があると思うので、そういう免疫 が付いたと思う。この経験を自分の糧にしていきたい」

どこまでもポジティブに、そして前向きに物事を捉える。G大阪サポーターなら誰もが知るところだが、誤審の被害者となってもその姿勢は変わらない。

逆境や試練を糧に、マイナスをプラスに――それがG大阪の5番を継承した丹羽という男である。

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