バスクU-16代表の長男と切磋琢磨!元日本代表DF(40歳)はなぜスペインで6年目を戦える?フル出場直後に「もう1試合いける」強靭肉体の秘訣

【写真】日本人初U-16バスク代表の長男との最新ツーショット&「本当に40歳⁉」若々しすぎる現在の姿を見る…「29歳で初招集」日本代表で日の丸を背負った姿も

「引退への道に進んでしまう感覚」

スパイクを脱ぐ瞬間は、すべてのフットボーラーに必ず訪れる。年齢を重ねて経験を深める一方で、自身の思いと周りの評価にズレが生じ始める。体力的な衰えやケガの増加も加われば、一気に出場機会は減っていく。そして引退が頭をよぎると、指導者の道やセカンドキャリアへの準備など、さまざまな思考が脳内を支配し始める。35歳、FC東京でプレーしていた当時の丹羽もまた、その既定路線に捕らわれかけていた。しかし、そんな甘えや迷いを断ち切るため、彼はスペインへと飛び立った。

「ピッチ外でのベテランとしての付加価値を、自分の中での一番の価値と思った時点で、もうプロサッカー選手としては絶対やっていけない、と思っています。要は自分がピッチに出なくてもこの役割で貢献できる、とプライオリティが変わってしまうと、引退への道に進んでしまう感覚がありました」

裸足でビーチを走り、そのまま海へ

「いまだに毎日が試行錯誤ですよ。何百試合とプロの世界で戦ってきましたけど、試合前の軽食ひとつとっても、『本当に白ご飯がいいのか? サツマイモやジャガイモの方がいいんじゃないか? 』と自分に問いかけています。その週の練習強度や連戦の状況に合わせて、食べる量やタイミングを細かく微調整する。食事だけでなく、リカバリー方法も変えました。今は海が近い環境なので、グラウンドでのダウンに加えて、裸足になってビーチの砂浜を走ったり、そのまま海水に浸かったりしています。海水に含まれるミネラルが筋肉や関節の疲労回復に良いと知って試してみたら、これがすごく自分の体にフィットして。自分で試して、ピッチの上で答え合わせをする。『もうこれでいいや』と思った時点で伸びしろはなくなってしまうので、とことん追求し続けたいんです」

試合に出ない方が疲れる

「試合に出られず、たまにピッチに立つ時の方が圧倒的に疲れました。年齢で疲れるのではなく、試合に出続ける『リズム』がないから疲れていた。世間の常識がどうあれ、自分の心と体がフレッシュであれば年齢なんて関係ない、というのが僕のリアルな答えです」

40歳にしてパフォーマンスを維持できる理由は、過去の成功体験に固執しない柔軟なアップデートにある。Jリーグ時代はオフにはまったくトレーニングを行わない時期もつくって体を休め、キャンプに向け逆算して追い込むルーティンだった。しかしスペインではオフ期も体を動かし続けるスタイルへシフト。ストリートサッカーのようなリラックスした状態で運動量を維持することで、心身ともにアクティブなままプレシーズンへ入れるようになった。

なぜ怪我が少ない?

「怪我は大きな車の事故と同じです。いきなり起きるのではなく、小さなエラーの積み重ねが大事故(怪我)になる。僕は怪我に強い、と言われてきたのですが、本当はまったく逆で、痛みや疲労に人一倍敏感です。だからこそ、先回りして自分の手でケアを徹底する。自分の体と丁寧に向き合うことが、怪我を防ぐ一番の秘訣です」

食生活では納豆やめかぶなど、日本では重宝していた食材が簡単には手に入らないという現実も受け入れ、フルーツやナッツなど、地元で手に入る食材を柔軟に取り入れる。またスペインに渡ってから、自身の新たな可能性を模索するためにDNA検査も実施した。持久力に優れたタイプだと考えていた自身が、実は「速筋優位タイプ」と判明したことで体の動かし方を根本から改善。30代後半にして、Jリーグ時代よりスピードが上がるという驚きの経験も果たした。固定観念を捨て、トライ&エラーを繰り返す「アドリブ力」こそが、異国の地でピッチに立ち続ける強固な土台となっている。

息子は日本人初のバスク年代別代表

親子の日常は、文字通りフットボールを中心に回っている。毎朝、息子の呼びかけで始まる親子トレーニングで一日がスタートし、午後には丹羽が息子の練習場へ足を運ぶ日も珍しくない。

バールでピンチョスを食べながら分析

スペインの地で、いつの日か父子が同じピッチに立つ未来も、もはや夢物語ではない。現役のプロプレーヤーとして、そして一人の父親として、スペインのピッチに立ち続ける男の瞳に曇りはない。

「今がサッカー人生で、一番充実しています。嘘偽りなく」

誰も歩んだことのない道を切り拓き、彼は今日もスペインの青空の下で、フットボールの喜びを誰よりも純粋に、そして鮮烈に楽しみ尽くしている。

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