7年前に話した「やりたいことがある」 1年目で白星発進…G大阪・明神監督が覚悟した日「無理、と」

G大阪は浦和を4-3で下して6季ぶりの開幕白星を飾った

ガンバ大阪は8月7日、ホームで行われたJ1リーグの開幕戦・浦和レッズ戦で4-3の逆転勝利を挙げた。シーズン前、急遽就任することになった明神智和監督にとって初白星。先手を取られ、一時は逆転してもさらに勝ち越されるという波乱の展開だったが、的確な指示を出して最後は“シーソーゲーム”を制した。

(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

【写真】サヴィオが安部柊斗に詰め寄り退場となった決定的瞬間

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何度も何度も時計を確認した。あと1分、あと30秒……。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、喜びを静かに噛み締めた。「勝利の味は同じと言えば同じだけど、監督になった方が背負うものが大きい。そういうところでは選手時代より嬉しいかもしれない」。初監督で得た勝ち点3だった。

先制を取られた。前半17分に浦和FW小森飛絢に決められると、同20分には相手のMFマテウス・サヴィオが2枚目の警告で退場。数的優位になった同37分に追いつくと、一気に流れを掴んで前半終了間際に勝ち越した。「相手が1人少なくなったので幅使って動かすこと、慌てずに攻めることは伝えました。そのなかで前半のうちに2点とれたことは良かった」。後半に入ってからは怒涛の展開。同33分に同点とされて、2分後には逆転を許す。だが、途中出場で投入した2人が空気を変えた。

「(植中)朝日は守備のところ、1人目でいってライン高く保って点を取る、ウェルトンは3点目を取るメッセージだった」

後半39分にウェルトンが同点弾を挙げ、2分後に植中が再度の勝ち越し弾。劇的な逆転劇で6シーズンぶりの開幕白星を飾った。

まさかだった。今シーズン、始動直前にイェンス・ヴィッシング前監督が突如退任。オーストリアで行われたキャンプで急遽、指揮を執ることとなり、そのまま監督就任が決まった。迎えた初戦。「感情的には多少の緊張感ありましたけど、とにかくなるべく感情を出さないように、なるべく自分だけコントロールして冷静に見たいなという思いで。できるだけ自分で抑えていました」。現役時代に10年間在籍した古巣で初めてのトップチーム監督を務め、掴んだ1勝だった。

現役ラストシーズンとなった2019年。当時所属していたAC長野パルセイロで選手としての“限界”を感じた。同年の夏、敵地アスルクラロ沼津戦のあとにポツリと「もう選手としては無理と判断するかもしれない」とこぼした。「でもやりたいことは決まってるから」。7年前、すでに覚悟は決めていた。いつか、監督として再びピッチに立つこと。翌年からG大阪のアカデミーコーチを務め、指導者として経験を積んでいった。

「相手の対策も含めて非常に難しい試合ではあった。ただ選手がそうじゃない状況でも粘るところは粘るとやってくれたので、全選手に感謝しています」

次はすぐやってくる。8月11日、敵地でACLEのプレーオフ江原FC戦に臨む。「次の試合に自分自身、反省して修正していきたい」。チームは一丸となった。ミョウさんのために——。ここから、明神監督とともに歩んでいく。

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