「秋春制」への移行は歴史の転換点 Jリーグ7日開幕、欧州移籍加速でリーグ空洞化懸念も
サッカーJリーグは7日、新シーズンが開幕する。今季から欧州主要リーグと同じ「秋春制」に移行。国際移籍の活発化によるリーグの底上げや、高温多湿の試合を避けることでプレーの質向上を狙う。各クラブは歴史の転換点となる新シーズンに向け最終調整に励むが、スター選手の海外移籍が進み空洞化する懸念も出ている。
世界のサッカーカレンダーは欧州型の秋春制を前提に動いている。Jリーグは1993年の開幕翌年から30年以上、2~3月開幕、11~12月閉幕の「春秋制」を維持してきたが、今季から8月開幕、6月閉幕の「秋春制」に切り替わった。
「若い選手がもっと世界に出ていける」とシーズン移行に賛同するのはC大阪の37歳、香川だ。自身も21歳でドイツに渡った。「刺激になるし、モチベーションにつながる」。日本代表の活動にも「リンクしやすくなる」とメリットを挙げる。
欧州と日程がそろうことで、クラブはシーズン途中での戦力流出というリスクが軽減され、海外移籍に挑戦する選手も後ろ髪を引かれる思いをしなくて済む。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も2023~24年シーズンから秋春制へ変更しており、適応はしやすくなる。
■ポイントは真夏の序盤戦 各クラブは新たなシーズンへの適応を進めてきた。連覇とACL制覇を目指す鹿島の守護神で、昨季の最優秀選手に輝いた早川は「やっぱりスタートダッシュは大事になる」と、真夏の序盤戦をポイントに挙げる。
昨季2位からの戴冠を目指す柏は、キャンプ入り前に体脂肪率や筋肉量の維持を例年以上に求めたという。06年以来の頂点を目指す浦和は、百年構想リーグの段階から厚着を推進してきた。ともに酷暑に耐えられる体作りを目指してのことだ。
寒冷・降雪地域のクラブに配慮し、12月中旬から翌年2月中旬まで約2カ月間の中断期間が設けられるのも、大きな変更点だ。浦和のGK西川は「いい流れでなくても、中断期間に入れば仕切り直しができるというところではいい期間になるのかな」とイメージする。
■「海外クラブとの勝負」
28年ロサンゼルス五輪世代のエース格でもある佐藤龍は今夏、FC東京からスペイン1部バレンシアへ移籍した。有望株の欧州進出はシーズン移行により、さらに加速する見通しだ。日本代表の強化にとってはプラスだが、スター不在によるリーグの魅力低下も懸念される。
選手だけではない。C大阪とG大阪は7月に監督が電撃退任。いずれもサウジアラビアのクラブに引き抜かれた。G大阪の幹部は「選手獲得を含め、今後は海外クラブとの勝負にもなる。現地の情報をいち早く入手できる態勢も必要だ」と明かした。
「Jリーグにとっては損失もある」。香川はそう表情を引き締めつつ、「その中でリーグをどう盛り上げるか。自分たち『おっさん』も頑張らないといけない」と意気込んだ。




