中村敬斗を支え20年、進化を後押しした「家族同様」のトレーナー…千葉から「最高峰の舞台」にエール
11日(日本時間12日)開幕のサッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3か国大会に臨む日本代表・中村敬斗選手(25)(スタッド・ランス)には、心強い専属トレーナーが地元にいる。千葉県我孫子市に施術所を構える花嶋義広さん(44)だ。中村選手が小学生の頃から約20年にわたり、心身両面でサポートしてきた。(千葉支局 大森遥都)
「ワールドカップかましてきます」。代表入りが決まった日、SNSで祝福のメッセージを送った花嶋さんに中村選手から返信が届いた。「先生とは家族同様にずっと一緒に頑張ってきました」
我孫子市出身の中村選手は高校2年でJ1・ガンバ大阪に入団し、18歳で欧州へ移った。体の動かし方や痛みなどについて、今でも花嶋さんに電話やSNSで相談する。花嶋さんも施術のため、春と秋に2週間程度、所属チームのあるフランスへ渡る。
中村選手が花嶋さんの施術所を初めて訪れたのは小学1年の頃。リフティングのし過ぎか、股関節を痛めていた。「どうすればロナウジーニョみたいな柔らかい動きができますか」。ブラジル代表として活躍していたロナウジーニョ氏のことなどを目を輝かせて話したという。そこから二人三脚の体作りが始まった。
当時の中村選手は股関節や足首に硬さがあった。花嶋さんから柔軟の重要性を教わり、床に座って開脚し、足の裏を床につけるストレッチを風呂上がりなどに続けた。約1か月後、見違えるほど体が柔らかくなったという。
当たり負けしないよう、花嶋さんの助言で1日5食にし、練習前後にバナナやステーキなどを食べた。「メンタル面を鍛えるため」として花嶋さんから坂道を駆け上がるメニューを勧められ、20メートル程度のダッシュを60本、70本と繰り返した。中学卒業時には150本に達したという。花嶋さんは「どんなことも吸収しようとする姿勢が成長につながる。努力の天才」と語る。
花嶋さんが「信頼関係が深まった」と言うのが2017年のU―17(17歳以下)W杯インド大会だ。代表選考前、中村選手は腰椎後方に亀裂が入る腰椎分離症になった。同大会に向けたチェコへの遠征が約1か月後に迫る中、花嶋さんの元で、太ももの筋肉をほぐすなど腰への負担を減らす施術を受けると奇跡的に回復した。代表入りし、ホンジュラス戦ではハットトリック(1試合3得点)を達成した。花嶋さんは「『あの時動けたおかげで今がある』と敬斗が言ってくれる。トレーナー冥利(みょうり)に尽きる」とうれしそうに話す。
突破力と正確なシュートが武器の中村選手は、攻撃のキーマンだった三笘薫選手(29)(ブライトン)がけがで選外となった今大会、同じ左サイドのアタッカーとして活躍が期待される。花嶋さんは「最高峰の舞台で後悔なくやりきって輝いてほしい。ゴールを決めてくれたら最高です」とエールを送る。



