「未来が見えるシーズンになった」美藤倫も自信。南野遥海の2発で逆転勝ち「自分を含めて若い選手たちが、ガンバを担っていくんじゃないかなと」
「今年はキャンプから良い感覚を持っていたんで」
5月16日に行なわれたアジア・チャンピオンズリーグ2の決勝で、クリスティアーノ・ロナウドを擁するアル・ナスルを1-0で撃破し、ビッグタイトルを勝ち取ったガンバ大阪。過酷なサウジアラビア遠征から戻り、1週間の調整期間を経て、24日にMUFGスタジアム(国立競技場)で挑んだのが、J1百年構想リーグ地域リーグラウンドWEST最終節の清水エスパルス戦だった。
【動画】俺が勝たせる! 決める! ガンバ南野遥海が途中出場で2得点
「今日は前半、特に疲れのあるなかで、みんなやっていたと思います」とボランチで先発した美藤倫が振り返る。確かにガンバはスタートから重かった。
押し気味に試合を進めた清水だが、キャプテンの宇野禅斗が19分に負傷交代。そしてガンバの食野亮太郎も右太もも裏を痛めた様子で30分に交代。両チームともアクシデントに見舞われ、試合はスコアレスで折り返す。
迎えた後半。先手を取ったのは清水だった。宇野と代わった弓場将輝が58分、打点の高いヘッドで先制ゴールを挙げる。ガンバのイェンス・ヴィッシング監督は、すぐさま宇佐美貴史と山下諒也に代えて、南野遥海と名和田我空の若い2人を投入する。
そして61分に南野がいきなり同点弾を叩き出す。初瀬亮の左クロスに鋭く反応。ファーストタッチで得意のヘッドでネットを揺らし、チームに活力をもたらしたのだ。
「(デニス・ヒュメットがウェルトンに向けて)逆に展開した時、初瀬選手が追い越してきたのが見えたんで、あそこのボールが通れば絶対に決まるかなと。あとはポジショニングで相手の前に入ることだけを意識していました」と22歳の点取り屋は冷静に戦況を見極めていたことを明かす。
鋭い嗅覚は75分にも結果となって表われた。右サイドを名和田が突破し、蹴り込んだクロスに対し、背番号42は左足を軽く合わせにいき、それが吉田豊に当たってゴール。これで通算7点目を記録した。
「今年はキャンプから良い感覚を持っていたんで、5点というのは最低限。そこからプラスアルファでどれだけ取れるかを細かく目標を立てていましたけど、ノルマを達成できたのは良かったと思います」と本人もゴールと、2-1の逆転勝利を素直に喜んでいた。
「ミナミノはこの半年間で、成長がものすごく感じられた選手。戦う姿勢も素晴らしいですし、空中戦の強さもシーズン頭から随所に出ていた」とヴィッシング監督も南野の“爆発”に手応えを感じた様子だ。
10代の頃からポテンシャルを高く評価されていた南野が、テゲバジャーロ宮崎、栃木SCへのレンタルなどを経て、プロ4年目にしてようやくブレイクしたのは本当に喜ばしい限り。彼をユース時代に指導した奈良クラブの大黒将志監督も嬉しく感じているのではないか。
若手の台頭に、ベテラン勢も刺激
若手で光ったのは南野だけではない。この日、ゴールマウスを守ったGK荒木琉偉、シーズン15試合に出場した美藤らの成長も目を見張るものがあった。
「今季は自分自身、サッカーをしていてすごく楽しかったし、精神的にも肉体的にもタフになったと思う。特にACL2ではジョアン・フェリックス選手のような質の高い選手とやって、ボールを取れるシーンがほぼなかったですけど、チームとして勝てたし、自信がついたと思います。
この半年間でガンバの若手が伸びたのも確か。荒木は代表を含めて活躍していますし、遥海も点を取っている。今日は我空も(中野)伸哉も良かったですし、自分を含めて若い選手たちが、ここからガンバを担っていくんじゃないかなと。監督も代わって、アジアタイトルという結果も出せて、未来が見えるようなシーズンになったと思います」と、美藤も強調。ガンバは着実に新たな一歩を踏み出した印象だ。
この若手の台頭に、ベテラン勢も刺激を受けている。4月下旬以降、荒木にポジションを奪われる形になった東口順昭も「これから(一森)純も戻ってきますし、来季はもっと競争が厳しくなる。また一から頑張らないといけないですね」と前向きにコメントしていた。
この半年間、怪我で出場機会が少なかった宇佐美、ジョーカー的な起用がメインだった倉田秋らも危機感を強めているに違いない。熾烈な競争がある集団は間違いなく成長していく。そういう意味で、2026-27シーズンのさらなる進化が興味深いところだ。
その前に、プレーオフラウンドでガンバはEAST5位の東京ヴェルディと相まみえる。ACL2王者の意地とプライドに賭けても、ラスト2試合は負けられない。南野や美藤、名和田や中野、山本天翔ら若い面々には、チームを勝たせられる存在へと一気に飛躍してほしいものである。



