特別リーグで“開花”したルーキー「衝撃的な活躍」 開幕から1か月…識者が厳選した8人の逸材

J1百年構想リーグの序盤戦で開花した選手たち

神戸に現れた大型センターバック

WESTではアメリカ帰りの19歳DF山田海斗(ヴィッセル神戸)が、第4節のアビスパ福岡戦で、出場停止の山川哲史に代わってスタメン起用されると、192センチの恵まれたサイズを生かした対人守備でシャハブ・ザへディを封じた。途中から相手が10人になったことで、攻撃も守備も多少プレッシャーから解放された感はあるが、ロス五輪世代から、また楽しみな大型センターバックが出てきたと言える。

首位のガンバ大阪では21歳のFW南野遥海が、イェンス・ヴィッシング監督のスタイルに向き合いながら、ゴール前で持ち前のセンスを見せつけている。ACL2を含めて、1トップでデニス・ヒュメットと使い分けられるような形ではあるが、FWにも強度の高いプレーが求められる現在のガンバにあって、そうした起用法は適切だろう。第3節の岡山戦では前半にヒュメット、後半に南野がこぼれ球から左足でゴールを決めて、チームを勝利に導いている。また若手ではないが、39歳GK東口順昭の“再ブレイク”も躍進の力になっていることは間違いない。

昇格2年目となる岡山では特別指定選手のMF小倉幸成が、いきなり獅子奮迅の働きで周囲に驚きを与えている。中盤での幅広いポジショニング、鋭いプレス、素早くダイナミックなパス出し、パンチのあるミドルシュートなど。小柄ではあるが、プレーのスケールは大きい。2試合目のスタメンとなった広島戦では老獪な川辺駿との駆け引きに翻弄されて、2枚目のイエローで退場してしまったが、ベンチに戻った前節の京都戦では後半途中からの投入で、松本昌也による決勝ゴールの流れを引き寄せた。大学との活動との兼ね合いもあるが、試合を重ねながら主力として存在感を高めていきそうだ。

“開花”と言えば、セレッソ大阪に注目しないわけにはいかないが、チームとしては序盤戦、WESTの8位と苦しんでいる。ただ、その中でJ2いわきFCへの育成型期限付き移籍から復帰したMF石渡ネルソンが、アーサー・パパス監督の起用に応えて、ボランチのポジションから溌剌とした動きを見せている。前節の清水戦ではスタメンで、終盤まで攻守に躍動。後半37分に、喜田陽との交代で退いたが、0-0からのPK戦勝利に貢献している。石渡はロス五輪代表の主軸候補としても期待される一人。本来もっとゴール前に顔を出せる選手だが、百年構想リーグとはいえ、試合に使われながらJ1の強度に慣れていくことで、26-27シーズンでの本格ブレイクに向けて、良い流れに持っていけそうだ。

[著者プロフィール]

河治良幸(かわじ・よしゆき)/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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