もしサッカーがなかったら…。野球選手としてWBCに出ていたかもしれないJリーガー(2)「究極に悩んだ」かつて大谷と同じ二刀流だった?
井端弘和率いる侍ジャパンは、大会連覇を目指してワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨んでいる。もしこの国にJリーグがなく、彼らがバットを手に育っていたら、侍のユニフォームを着ていたのではないか――。今回は、そんな「野球選手になっていたかもしれない」サッカー選手をピックアップして紹介する。
GK:一森純(いちもり・じゅん)
生年月日:1991年7月2日
所属クラブ:ガンバ大阪
ガンバ大阪のGK一森純は、かつて行われたJリーグの企画で「もしJリーグがなかったら」という質問に対し、「プロ野球選手」と答えた。
「小学1年生のときに野球かサッカーかで究極に悩んだ」と振り返るほど、その心は白球にも熱く注がれていた。
その後のキャリアを紐解けば、一森がもしバットを選んでいたとしても、一級品のプレーヤーになっていたであろう根拠は枚挙にいとまがない。
特筆すべきは、一森が備える驚異的な万能性だ。
中学時代には所属するクラブチームでGKとFWの“二刀流”をこなしていたという驚きの逸話が残る。
セレッソ大阪の育成組織加入後はGKに専念するが、U-18時代に左手指を骨折した際、センターバックとして公式戦に出場し、チームを支えた。
現代サッカーにおいて複数ポジションをこなす選手は珍しくないが、専門性の極めて高いGKを務めながら、フィールドプレーヤーとしても高い水準でプレーできるセンスは、まさに非凡の一言に尽きる。
GKとしてのプレースタイルにも、その非凡さが表れている。
最後尾から攻撃のビルドアップに貢献できるのはもちろんのこと、抜群の反射神経と全身のバネでPKストップをみせることもしばしば。
182cmという、プロのGKとしては決して大柄ではない体躯を補って余りある身体能力は、野球でいえば強襲を平然と捌く内野手としての資質を十分に感じさせる。
もし、一森が小学1年生でバットを選んでいたら、野球界のスカウトたちがその後色めき立っていたかもしれない。
しかし、今の彼を知るファンは、一森があの日に「GKグローブ」を選んでくれた幸運に、感謝しているはずだ。



