今野泰幸が語るオランダ代表。W杯での再戦を前に振り返るザック・ジャパン/インタビュー

オランダにも「やれていた」

「久しぶりにこうやって試合を観ると、ぜんぜんやれていましたね」

同試合で先発フル出場した今野は笑みを浮かべる。2010年のW杯で準優勝した強豪とも互角に渡り合えるほど、アルベルト・ザッケローニ監督が率いる、このときの日本代表は魅力的だった。

「ザッケローニさんのマネジメントがすごく上手で、戦術もしっかり僕らに示してくれました。だからこのオランダ代表戦でも、いい攻撃につながっていたと思います」

前半のうちにオランダ代表FWアリエン・ロッベンのカットインシュートなどで失点し、2点のビハインドを負った日本代表。しかし、今野が「つないできてくれるから、やりやすかった」と話すように、日本は粘り強い守備とパスサッカーで応戦した。今野自身も出足の速いインターセプトとボール奪取で、カウンターにつなげた。

細貝氏も絶賛するように、この試合で存在感を放った今野は、当時J2だったガンバ大阪に所属。この時の日本代表は、マンチェスター・ユナイテッドの香川真司やインテルの長友佑都、この試合の直後にミランへ移籍が決まった本田圭佑をはじめ、欧州の強豪でプレーする選手たちがいた。

引け目をまったく感じていないわけではなかったという。「差はあったとは思います。だけど、自分がJリーグでやっていることをネガティブに感じたくなかったので、あまり考えないようにしていました」と当時の心境について明かす。

G大阪では2013年のJ2リーグで32試合に出場し、1年でのJ1復帰に貢献。日本代表の仲間たちへの競争心が、活躍の原動力にもなっていたと振り返る。

「海外組の選手たちと紅白戦で当たるときには、負けたくないという気持ちでした。海外に行かずに、Jリーグで頑張っていれば、日本代表として世界に勝てるんだぞというのを見せたかった。だからすごくがむしゃらに練習していたし、海外組に負けないプレーをしなきゃいけないと思っていました」

ザック・ジャパンの魅力

いまの日本代表は、オランダよりも強い

あれから12年。日本代表は“優勝を目指す”W杯の初戦でオランダと再戦する。

これまで一度も勝てていないオランダ相手に、日本は勝利できるのか。今野に直球で聞いてみると、「僕から見たいまの日本代表は、オランダよりも強い」と言い切った。

「やっぱりメンタリティが違いますよ。僕のときの日本代表は、強豪国に対して前半から圧倒されてしまうと、結構へこむことも多かった。『これ、耐えるので精一杯だな』みたいな。でもいまの日本代表は普段からそういう試合をしているし、世界のレベルを知っている。前半はやられていても、『後半に巻き返せばいいでしょ』というメンタリティを、みんなが持っています」

前回の2022年W杯カタール大会では、強豪のドイツ代表やスペイン代表を撃破し、昨年はサッカー王国のブラジル代表をついに破った。

今野自身が「日本人離れしている」とメンタリティを評価する堂安律をはじめ、スタメンのほとんどが欧州でプレーしている日本代表。今野は「大丈夫」と力を込める。

とはいえ、油断は禁物だ。初戦のカメルーン代表戦で白星を挙げて、決勝トーナメントまで進んだ2010年と、自身にとっても苦い思い出がある2014年のW杯を経験している今野は、初戦の重要性を理解している。

「やっぱりサッカーって何が起こるか分からない。オランダもメンバーはそろっているし、簡単には崩せないと思います。だから本当に万全の準備をして、こっちも100パーセントのコンディションを作る必要がある。でもその上で思いっきりぶつかれば、勝ち点は取れるはず。試合に出ている11人だけじゃなくて、途中から入るメンバーを含めた総力戦でチャンスをモノにしてほしいですね」

今野が太鼓判を押す。オランダ代表は確かに強い。それでも、いまの日本代表はもっと強いとーー。

ザック・ジャパンが挙げられなかった歴史的な1勝は、W杯の初戦で実現するのか? オランダ代表との初戦は今年6月15日の午前5時にキックオフする。

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