宇佐美貴史が“外れた”主将 数人と面談で決定…新監督が狙った「全う」プラン
G大阪の新主将は中谷進之介に
宇佐美貴史の名はなかった。ガンバ大阪は1月28日、J1百年構想リーグシーズンのキャプテンおよびリーダーシップグループを発表した。新主将は2023年から昨季までの3シーズン務めたFW宇佐美貴史から、DF中谷進之介が引き継ぐ形に。また宇佐美は、イェンス・ヴィッシング新監督のもと新設されたリーダーシップグループからも外れる形となった。大黒柱の背番号7に今季求められる“役割”は——。新監督が絶大な信頼を置くからこそ任される唯一無二の仕事があった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
【実際の映像】「そこ狙うか」宇佐美貴史が叩き込んだ直接FK弾の瞬間
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青く光る左腕のマーク。1月15日、気温20度に上った沖縄でヴィッシング監督の初陣、FC町田ゼルビアとの練習試合が行われた。新生ガンバのお披露目。1本目に送り込まれた宇佐美の腕には当たり前かのように主将マークが巻かれていた。
「キャプテンが誰になるとか全くわかっていない状態で、それによってすごく変わっていく部分がある。(チームの)引っ張り方は与えられた役割と環境の中で自分が思う最善のリーダーシップを取れればいい。もしかしたらキャプテンも何もなくて、リーダーグループみたいなものがあって、そこにも何も入っていなかったら本当に自分のことに集中してもう1回プロ1年目みたいな気持ちでやっていこうかなというふうにも思っている」
町田戦後、宇佐美がすでにイメージしていた“無職”としての振る舞い。2022年に副主将となり、23年から3季連続でキャプテン。さらに同年は遠藤保仁が付けた7番を引き継いだ。だがこの年、残留争いを強いられて、最終的に7連敗の16位フィニッシュ。「苦しすぎて、苦しすぎて、しんどすぎて……」。当時漏らしていた苦悩。ゴール裏からは心無い言葉が飛んでくることもあった。「おい、お前このチームをどうするつもりやねん」。胸を抉ったこの言葉が逆に主将2年目“続投”を決意させた。
「ほかの選手は無理やろ、ほかの選手に飛ぶはずやった声は俺のところで吸収できている」
主将マークを巻いた町田戦から13日後、中谷新主将はじめ、倉田秋、一森純、イッサム・ジェバリ、安部柊斗が務めるリーダーグループから宇佐美は“外れた”。ヴィッシング監督が数人と面談を実施し、熟考の末に決断。その意図は「宇佐美には自由を与えて、伸び伸びと自分のプレーを全うしてほしい」からだった。クラブを思う気持ちが強いからこそ、人一倍責任感の強い宇佐美。だから38歳の新監督は「エース」という役割を与えた。
今は宇佐美にしか背負えない7番でエースの大看板。昨季は8ゴールで終えた。チームとともに踏み出したこの1歩は宇佐美にとっても、G大阪にとっても、必ず礎となるはずだ。



