21歳以下で堂々のU-23アジア杯制覇。合言葉は“ラージ100”。最大の収穫は大学生組の躍動だ【大岩ジャパン総括】

格の違いを示した選手は少なくない

1月6日からサウジアラビアで開催されたU-23アジアカップ。2年に一度、23歳以下のアジア王者を決める大会で、大岩剛監督が率いる日本は2年後のロス五輪を目ざす21歳以下の選手たちで臨み、連覇&最多3度目の優勝を飾った。

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大岩監督が大会前から口にしていた「優勝」という目標は果たされ、ロス五輪の最終予選を兼ねた次回大会におけるポッド1の獲得も確実にした。ロス五輪から男子サッカー競技の参加国数は4チーム減って12となり、アジアの出場枠も3.5から2に減少。今まで以上に狭き門となるだけに、今大会の成績は優勝以上に大きな意味を持った。

昨季のJリーグが閉幕してからわずか1か月後の大会とあり、選手たちのオフは2週間ほどで、コンディションを整える作業は簡単ではなかった。チームスタッフも選手たちの状態を見越したうえで、トレーニングメニューを構築。選考の場となった12月末のIBARAKI Next Generation Cup2025では2部練習を行なうなど、代表活動では異例のハードなメニューとなった。

迎えた本大会で、日本は序盤から好調をキープ。グループステージは3戦全勝で、10得点・0失点という圧倒的な戦績でノックアウトステージに駒を進めた。準々決勝のヨルダン戦(1-1/4PK2)こそ苦戦を強いられたが、今大会で1位、2位を争う力を持つ難敵に競り勝つ。準決勝では宿敵の韓国にも2歳年下とは思えないほどの冷静さとゲームコントロールを見せ、1-0で勝ち切った。決勝は堅守を誇る中国に4-0で完勝。大岩ジャパンの強さが随所に見られる結果となった。

個々を見ても、格の違いを示した選手は少なくない。大会MVPを獲得し、最多の4ゴールをマークしたMF佐藤龍之介(FC東京)、3得点で攻撃を司ったMF大関友翔(川崎)といったA代表組の活躍はもちろん、昨秋のU-20ワールドカップに出場した面々の存在感も光った。

最優秀GK賞に輝いたGK荒木琉偉(G大阪)、キレのあるドリブルで左サイドを支配したFW横山夢樹(C大阪)、慣れない左SBでも優れた攻撃力と戦術理解度で攻守を支えたDF梅木怜(今治)もハイパフォーマンスを披露。世界を知る選手たちが指揮官の期待に応えてみせた。

もっとも、実績ある選手たちの活躍は計算通り。順調にステップアップしていけば、いずれJリーグを飛び出すかもしれない。五輪では海外組の招集に難しさがあることを踏まえ、山本昌邦ナショナルチームダイレクターは“ラージ100”という言葉で、100人以上の集団を作る指針を打ち出している。

その意味では、今大会で最大の収穫は大学生組の躍動だろう。

MF小倉幸成(法政大)は昨秋のU-20W杯組で、他の大学生と同じ括りにするのは違うかもしれない。ただ、今大会は不慣れなポジションでプレー。今までのキャリアではダブルボランチを担うことがほとんどで、4-3-3のアンカーを務めた経験がない。

最初は手探りだったが、見事な適応を見せて代えのきかない選手であることを証明した。ビルドアップのフォローや正確なフィードは安定しており、中盤の底で潰し屋のタスクも全う。決勝ではミドルで2ゴールを決めるなど、攻守で抜群の存在感を示した。

「自信を持つ選手と過信する選手がいる」

昨年7月のウズベキスタン遠征で自身初の世代別代表入りを勝ち取ったFW古谷柊介(東京国際大)は、大会を通じて攻撃の切り札として奮起。右サイドで後半から登場すると、得意のドリブルに加え、フリーランで相手を撹乱した。

グループステージの第2戦(UAE戦/3-0)、第3戦(カタール/2-0)ではCKの流れからヘッドで得点し、高い決定力を発揮。準々決勝のヨルダン戦も後半開始から起用され、50分に裏抜けから相手のOGを誘発するなど、チームに欠かせないプレーヤーだった。

そして“大きな発見”はDF小泉佳絃(明治大)だ。高さと速さを兼ね備える190センチの大型右SBは、昨年11月のイングランド遠征で初めて大岩ジャパンに名を連ね、今大会では当初、右SBのバックアッパーの位置付けだった。

しかし、自身初の国際舞台で経験を蓄積すると、準決勝の韓国戦で真価を発揮。深い位置に顔を出すだけではなく、内側にもポジションを取って攻撃に関与。強肩を活かしたロングスローや、セットプレー時のターゲット役としても機能した。CKのこぼれ球を押し込んで決勝点も奪ってみせた。

「それくらいやって当然のポテンシャルを持っている。自信を持つきっかけにやればいい」(大岩監督)。決勝でも先発に抜擢されてフル出場。現時点ではJクラブの練習などに参加していないが、今後の進路が楽しみになるパフォーマンスだった。

選手層の拡充が図れたことは、間違いなく次につながる。ただし、「自信を持つ選手と過信する選手がいる」とは指揮官の言葉。今回の結果にあぐらをかけば、その立場は危うくなり、成長スピードも鈍化してしまう。アジアの舞台で掴んだ手応えを活かしつつ、さらなる成長に期待したい。

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