「かなりの成長が見えた」ガンバ新指揮官も手応え。順調にチーム作りは進行中。早急に見つけるべきパズルのピースは?
「すごく充実したキャンプになっている」
沖縄キャンプでガンバ大阪の新たなスタイルが、徐々にその顔を覗かせ始めている。
1月21日には湘南ベルマーレと45分×3本の形式で、今季2度目の練習試合を実施。3本を通じてのスコアは0-0、1-1、0-0という内容だったが、スコアやゲーム内容の是非を問うのは時期尚早な135分間だった。
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過去のキャンプでの練習試合は1本目の顔ぶれを見れば、チームの大まかな主力が窺えたが、この日の1本目はGK東口順昭や最前線のデニス・ヒュメット、ボランチの美藤倫を除けば、基本的には昨季のサブメンバーや若手が主体。3本すべてでユース所属の選手や練習生もプレーしており、イェンス・ヴィッシング監督はあえて、手の内を明かしていない格好だ。
もっとも、今季のテーマであるハイプレスからのショートカウンターが炸裂する場面は少なかったが、この点に関しても前線の組み合わせを模索している段階だ。
昨季の開幕前も「敵陣深くで相手に息もさせない」とダニエル・ポヤトス前監督はハイプレスを志向したが、欠けていたのはベースとなるフィジカルの追い込み。ヴィッシング監督は7日の始動初日から厳しいメニューでフィジカル面の底上げも図っているが、「昨日までの練習でもかなりタフにやってきているなかで疲れももちろんあった」と指揮官は疲労が残るなかでの練習試合だったことを認めた。
新スタイルに対する選手たちの手応えも上々だ(新体制の早々に選手が懸念を口にしたのはセホーン体制ぐらいだったが)。
チーム最年長の東口は言う。「チームとして強度高くやれているので、チームとしてはすごく充実したキャンプになっているし、あとは90分間でどれだけのインテンシティを出せるかが次の課題」。
3本を通じて共通したのは、局地戦での球際の激しさだ。「前には強く行くし、剥がされたとしても頑張って戻らないといけない」と奥抜侃志は語ったが、ボールを奪い切る守備への意識は高まっている。
ヴィッシング監督も現段階での手応えについて「前からの守備の意識。かなりの成長が見えた」と話す。
センターバックとワントップの最適解
湘南戦では、ヴィッシング色も顔を覗かせた。左サイドバックで起用された奥抜と右サイドバックで試された唐山翔自について、指揮官は「別に何かわざとそこに置いたのではなく、バランスを持った3チームで分けるためにも、そういうところでプレーしてもらないといけなかった」と煙に巻いたが、真意は違うところにありそうだ。
詳細はあえて控えるが、奥抜がヴィッシング監督から受けた指示を聞くと、少なくとも人数合わせの一端ではなさそうだ。
ただ、若い指揮官にありがちな独自色の押し付けではなさそうで、ヴィッシング監督はドイツ語で意思疎通できる宇佐美に対して、始動早々に「新しいことも入ってくるので、選手にとっても戸惑いがあるかもしれない。そうなったら、いつでも伝えに来てほしい」と話したという。
大きなアクシデントもなく、徐々にチーム作りが進んでいるG大阪だが、早急に見つけるべきパズルのピースは、センターバックとハイプレスの一歩目となるワントップの最適解を見出すことである。
不動のディフェンスリーダー、中谷進之介は昨年12月に負った肋骨骨折の影響でいまだに別メニュー調整。湘南戦ではルーキーの池谷銀姿郎もセンターバックでプレーしたが、開幕スタメンも視界に入ってきそうだ。
そして90分間の持続は無理にせよ、ハイプレスを機能させるうえで、前線の最適解を見出せるかが、今後の課題になりそうだ。
沖縄キャンプ最終日の25日には北海道コンサドーレ札幌との練習試合も待つが、ヴィッシングガンバの現在地は、ベストに近い顔ぶれでの戦いを見ないと判明しそうにない。
新たなチャレンジの成否は進むスピードでなく、正しい目的地に向かっているのかどうか――。ピッチ内で体現する選手たちの反応は一様にポジティブだ。



