借りパク注意!? レンタル先で“覚醒”したJリーガー(9)電撃移籍は成功? ついに復活、かつてJリーグ沸かせた天才
プロの世界は厳しいもので、全ての選手が所属元クラブで出場機会を得られるわけではない。残すところあと2節となった2025明治安田J1リーグを振り返ってみると、所属元クラブで試合から遠ざかっていた多数の選手たちが、レンタル移籍という形でチャンスを求めたことが分かる。今回は、レンタル先で大活躍中のJリーガーをピックアップして紹介する。※データは『Transfermarkt』『Jリーグ公式サイト(J1.LEAGUE STATS)』を参照。データは11月7日時点。
FW:満田誠(みつた・まこと)
生年月日:1999年7月20日
所属元:サンフレッチェ広島
レンタル先:ガンバ大阪
2025リーグ戦成績:32試合1得点0アシスト
2025年2月に発表された満田誠のガンバ大阪入りは、サンフレッチェ広島のファンを動揺させたに違いない。
2024シーズンのJ1リーグで35試合に出場して3得点5アシストを記録していたユース出身者が、突如としてレンタル移籍。生え抜きがそういった形でチームを離れることなど、なかなか想定できない事態だからだ。
ユニフォームの色が紫紺から青と黒に変わった満田は、ガンバで攻撃型ボランチという新境地を開拓。センターラインの様々なポジションでダニエル・ポヤトス監督のファーストチョイスで在り続け、今季は充実したシーズンを過ごしている。
満田は、流通経済大学を経て2022シーズンに広島へ加入。ユース時代を過ごしたクラブへの帰還を果たした。
キャリアに大きな変化が生じたのは、2023年5月に経験した右膝十字靭帯部分損傷の大怪我。広島で順調にキャリアを積み上げていた最中、長期の戦線離脱を余儀なくされた。
復帰後、満田は試合にこそ出場するものの、ピッチに立つ時間は怪我以前に比べて減少していた。
「スポーツ選手としての寿命はそこまで長くない」(ガンバ大阪公式サイトより)という思いを抱いていた時に届いたガンバからのレンタル加入の打診は、満田にとって渡りに船だったはずだ。
広島でも度々ボランチに入ることはあったが、ガンバでも3列目から輝きを放つシーンは多い。以前よりも存在感を増しているようにすら見える。
広島が2026年1月31日でレンタル期間が満了となる満田を来季の戦力に数えてもおかしくはないだろう。
だが、自身のキャリアを大きく前進させるきっかけとなったガンバを満田がそう簡単に“振る”だろうか。
レンタル期間の延長、場合によっては完全移籍契約への移行も、あり得ない選択肢ではないかもしれない。



