G大阪・井手口陽介 天皇杯優勝に貢献した19歳 強心臓でリオ五輪目指す 産経新聞 1月9日(土)11時51分配信

2年ぶりに元日に行われた天皇杯の決勝(G大阪-浦和)で、G大阪のMF井手口陽介(19)が堂々たるプレーを披露した。米倉の負傷に伴い、前半早々に ピッチに投入されると、ボランチとして攻守に奮闘。チームの2連覇に貢献し、「うれしい。自分の成長にもつながる」と笑みを浮かべた。

突然の出番にも落ち着いていた。相手のパスコースをふさぎ、球際で激しく競り合ってボールを奪取。「(ボールを)取った後に、前に出すのを意識した」と話すように、相手の不意を突くスルーパスで何度も好機を演出した。持ち味を存分に発揮してみせた。

チームの将来を担う逸材だ。G大阪ユースに所属していた2014年シーズンに、“飛び級”でトップチームに昇格。この年は、リーグ戦出場こそなかったものの、ヤマザキナビスコ・カップでプロデビューを果たした。

今季はさらに飛躍。先発4試合を含むリーグ戦8試合に出場した。長谷川監督からの要求も次第に高まっているといい、「最初は抜かれないようにとか言われていたが、徐々に取った後のパス出しを言われようになった」。指揮官からの教えを吸収し、自身の成長につなげている。

遠藤、明神、今野-。チームにはお手本にすべき同じポジションの先輩がズラリ。特に明神からは、「危機察知能力とか中盤での指示とか、学ぶものはたくさ んあった」と刺激を受けた。15年シーズン限りでG大阪を退団することになった明神は、「周りを気にせず陽介らしいプレーをしてくれれば。世界で通用する 選手になれるよう頑張ってほしい」と期待の若手にエールを送った。

今年は世界との戦いが待っている。今夏のリオデジャネイロ五輪切符をかけたアジア最終予選(カタール、1月12~30日)に臨むU-23(23歳以下)日本代表に選出された。19歳は東京Vの三竿とともに最年少だ。

それでもおとなしくしているつもりはない。「一番下だけど、(チームを)引っ張っていけるような存在感を出したい」。その強心臓は、世界と戦う上で重要な武器になる。

15年シーズンはJリーグで通用することを実感できた。しかし、「守備もできて攻撃もできるボランチになりたい」と掲げる19歳にとって、無得点に終 わったことが心残りだった。だから16年シーズンの目標は「点を取る」。一瞬の飛び出しなどに磨きをかけて、ゴールネットを揺らしてみせる。

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