浦和「ボール支配率」急上昇の罠 10位G大阪の『ミドルプレス』戦術にはまり零封負け連勝ストップ

◇6日 J1第15節 浦和0―1G大阪(埼玉スタジアム)

2位の浦和は10位のG大阪に競り負け、リーグ戦の連勝は「5」で止まった。後半8分、MF食野亮太郎にゴール前へクロスを送られ、ファーサイドに詰めたMF山下諒也に頭で流し込まれた。6試合ぶりに先制点を奪われると、MF中島翔哉、MF関根貴大、FW高橋利樹ら攻撃のカードを次々と切ったが、G大阪の守備を最後まで切り崩せず、今季3度目の零封負けとなった。

◆現地で声援を送る浦和サポーター【写真】

試合後の記者会見。ちょうど1カ月ぶりの黒星を喫したスコルジャ監督は戒めるように言った。

「浦和は素晴らしいチーム、偉大なチームだと思っている人がいたならば、まだそうではないということを見せたと思う。これからも、まだまだハードワークしていかなければいけないということ」

低迷した今季序盤から一転。配給力のあるMFグスタフソン(ここ2戦はMF松本泰志)をボランチの一角に据え、スピードが売りのFW松尾佑介を1トップに配すと、相手の背後を突く鋭い攻撃を軸に連勝街道を突き進んだ。

好調の浦和の戦略に対抗したのが、G大阪の「ミドルプレス」だった。ポヤトス監督は「浦和の前線には松尾、渡辺、金子、サビオという4人の強力な選手がいる。自分たちがハイプレスに行って、(守備陣形が)間延びして、ひっくり返されてしまうと、(次の局面では)個人の戦い、デュエルになる。それを避けたい狙いがあった」と明かす。

G大阪はミドルゾーンに強固なブロックを敷いた。後方でボールを回されるのはOK。機を見て、ハイプレスは時々。守備陣形をコンパクトに保った上で、ボール支配を譲って、ボール奪取にこだわった。DFラインの背後のスペースを使わせないように腐心して、浦和の攻撃力を低減することに成功した。

「劣勢な状態、(ボールを)持たれている状態が続いていたが、レッズに対してはそっちの方がいいかな。(ボールを)取って、速く(攻める)。チームの強みをうまく出せるかなと思ってやっていた」(G大阪FW宇佐美貴史)

浦和の5連勝をひもとくと、ボール支配率は47%(町田戦)、48%(京都戦)、40%(横浜M戦)、48%(広島戦)、53%(東京V戦)と「非保持型」が顕著だったが、G大阪戦は58%と「保持型」へ急上昇。相手の術中にはまってしまった証左の1つだった。

「いま、われわれがやらないといけないことは、しっかりと顔を上げて、日曜日の試合(11日、アウェー・新潟戦)に向けて準備をすること」とスコルジャ監督。6月のクラブW杯(米国)を控え、浦和の戦いは続く。

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