G大阪、底力見せV パトリック2発 最後の1冠つかむ 天皇杯サッカー 産経新聞 1月3日(日)7時55分配信

後半ロスタイム。GK東口が身をていしてピンチを防いだ直後、試合終了を告げる笛が鳴った。ヤマザキナビスコ・カップ、リーグチャンピオンシップ(CS) で準優勝に甘んじた「昨季3冠」のG大阪が最後の1冠をようやく手にした。「3つとも2位だったら立ち直れない」。長谷川監督はそう言って笑みを浮かべ た。

立役者となったのはパトリックだ。前半32分、快足を飛ばして先制点を挙げ、後半8分にはCKから勝ち越しゴール。槙野の密着マークをはがし、ダイレク トで右足を振り抜いた。前線からのプレスにも汗をかき「守備に攻撃に大活躍してくれた」。指揮官は賛辞を惜しまなかった。

開始早々に米倉がピッチから退く非常事態。だが、今野が不慣れな右サイドバックで奮闘し、19歳の井手口は急な出番にも動じなかった。今季60試合目の 公式戦。岩下や大森がけがで戦列を離れる中、「全員でカバーして戦えた」と遠藤。これこそ、2014年の3冠王者の底力だろう。

表彰式で遠藤は関係者に許可を取り、今季限りで退団する明神のユニホームを着て天皇杯を掲げた。長年コンビを組んだ盟友にタイトルをささげ「G大阪を先頭に立って引っ張ってくれた選手。笑顔で終われてよかった」と思いを込めた。

万博を本拠とする最後のシーズンを優勝で締めくくり、16年はいよいよ新スタジアム元年。G大阪にとって新たな歴史の扉が開く。

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