宇佐美不在の「言い訳はしたくない」 指揮官が影響否定も…同僚が指摘した課題

G大阪は天皇杯決勝で神戸に0-1で敗戦…宇佐美が負傷で欠場

J1ガンバ大阪は11月23日、天皇杯決勝戦でヴィッセル神戸と対戦して0-1で敗れた。2015年度の優勝以来、9大会ぶりとなるタイトル獲得を逃した。試合の直前には元日本代表FW宇佐美貴史が、21日の練習で右ハムストリングスの肉離れを起こしたことが発表された。

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エースでありキャプテンも務める宇佐美が不在となったが、G大阪は前半から主導権を握ってチャンスを作った。しかし、ゴール前の最後の部分で違いを作れる7番がいない影響は大きく、チャンスを作りながらもゴールを割ることはできなかった。

試合後、ダニエル・ポヤトス監督は、宇佐美不在の影響を問われると「言い訳はしたくない」と切り出した。「彼は2日前の練習で肉離れをしてしまった。重要な選手だが、彼のチームを助ける姿勢、準備のところでチームを助けてくれた。ほかの選手もそこで気持ちをもっともっと高めてくれたと思う。感覚的には、影響はなかったと思う。言い訳はなく、ガンバのファンのためにも全員がしっかりやってくれたと思う」と、ピッチに立てないなかでも宇佐美がチームのためにできることをやったと語った。

G大阪DF中谷進之介も、宇佐美不在の影響について「もちろん大きいものはあると思います。今年は本当に彼の力ですごく上に来れていたので。ただ、僕らは本当に貴史くんのためにというか、プレーしたくてもできない選手のためにっていう、本当に仲間のためにっていう言葉が今日ほど合う試合はなかったと思う」と語った。実際に対戦した神戸のFW武藤嘉紀も「むしろ、相手はそうだった(まとまりが出た)ように感じます。全員が戦う集団だったと思います。逆に、リラックスしてやられた感じもしたので、逆にやりづらさはありました」と、試合が難しくなった可能性も指摘した。

とはいえ、2015年以降、タイトルから遠ざかっているG大阪にとっては、エース頼りのチームからの脱却は、チームとしてより強くなるためのポイントになる。前述の言葉のあと、中谷は「ただただ力不足だと思います。夏以降、貴史くん以外に得点が取れる人がいないというのは、チームとして明確にあったし。あらためて、その課題が出たというのが印象としてあります」と、語った。ほかに得点源となり、相手に警戒される選手が増えてくれば、今シーズン、かなりの無理をしてきた宇佐美の負担も間違いなく減るだろう。

今シーズン、リーグ戦でも34失点と最少失点のFC町田ゼルビア(31失点)に次ぐリーグ2位の堅守を見せてきたG大阪。チームがもう一つ勝ちを重ねていくためにも、そしてシーズン終盤の離脱で初めてスタンドから所属するクラブのファイナルを見ることになったエースの負担を減らすためにも、新たな得点源となる選手が必要だ。

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