【JFA・宮本恒靖会長】G大阪ユース・明神コーチも指摘する『育成年代』の課題「自分の力に合ったところで試合に出場できる環境を」【KICK OFF! KANSAI】
日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長がゲストで登場。ガンバ大阪でともにプレーした元日本代表MF明神智和さんがVTRで出演し、現在ユースコーチを務める視点から、育成年代に関わる質問が飛んだ。また、スペインの強豪レアル・マドリードU-10の練習場を見学した大久保さんとともに課題に向き合った。
▼G大阪ユース・明神智和コーチから育成年代に関する質問
関西のサッカー情報を中心に扱うMBSのJリーグ応援番組『KICK OFF!KANSAI』に、日本サッカー協会の宮本恒靖会長がゲストで出演した。
ガンバ大阪でプロキャリアをスタートさせた宮本会長はオーストリアの強豪ザルツブルクを経てヴィッセル神戸でもプレー。日本代表の元主将でワールドカップにも2度出場し、今年からは日本サッカー協会の新会長に就任している。
VTRには、G大阪でともにプレーし、現在はユースチームのコーチを務める元日本代表MF明神智和さんが登場。宮本会長について「クールに見えるけど(心は)熱いものを持っている。試合に負けたのか追い付かれたのか、悔しくてスタジアムのものを殴ったとか(笑)。すごくケガしていて、やっちゃいけないことかもしれないけど、それだけ熱いものを持っている」と、過去のエピソードを披露しサッカーに懸ける強い思いを明かした。これには宮本会長も苦笑い。
「もう忘れました…」と言葉少なだった。
明神コーチからは「ポストユース(20歳前後の選手)の試合数、試合経験をどう確保するかのが課題なのかなと思っている」と質問も飛んだ。「これは本当に大きな問題だと思っていて、かつてU-23というチームが(J3に)あったときの選手がどうなっているか検証もしている」という。
2016~19年、J3にG大阪、C大阪、FC東京の3クラブがU-23チームを作って参戦。現在の日本代表で中心を担うMF堂安律、MF久保建英、MF中村敬斗らがプロになってすぐ経験を積んだ。宮本会長もG大阪U-23の監督経験がある。
「確保してあげることと、自分でどう確保するのか。ポジションは掴み取らないといけない。ベテラン選手と若手が1つの椅子をどう取り合うのか。若い選手がたくましくなることが必要」と1つの見解を示した。
欧州では小さいクラブなら若手選手を成長させ、移籍金の獲得でクラブを運営していくビジネスモデルも確立されている。移籍金も10億円台~など高額だが、日本はまだ数億円程度。「若手の起用よりベテランの安定感が求められることがチームの経営判断になることもある」と課題を重く受け止めていた。
MCの大久保さんは先日、レアル・マドリードU-10の練習場を見学。その時に日本との違いを感じて、「選手を前後半で全員変える。日本はあまりない。試合に出場できないからサッカーを辞めていく子もいるが、どうですか?」との質問も。
宮本会長は「高校とかになってAチームの選手ばかり試合出て、スタンドで応援するだけの世界は変えていかないといけない。制度を変えることで自分の力に合ったところで試合に出場できる環境を作っていけると思う。トライしていきたい」と、これからの指標も明らかにしていた。