京都vsG大阪の最終盤PK取り消しにJFA審判委「正しい判定」味方から跳ね返ったボールのハンド基準を説明
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は24日、都内でメディア向けレフェリーブリーフィングを開催した。J1第31節京都サンガF.C.対ガンバ大阪の後半アディショナルタイムにG大阪のPKが取り消された場面について、佐藤隆治JFA審判マネジャーは「正しい判定」と見解を示しながらハンドの基準について説明した。
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9月22日に行われたこの試合では後半45+7分、G大阪DF黒川圭介がペナルティエリア内左からクロスを送った。これに対して京都DF宮本優太とDF福田心之助が連なるようにスライディングでブロックを試みたところ、ボールは奥の宮本から跳ね返って手前の福田に戻る形で動き、福田の高く上がった腕に直撃。大橋侑祐主審はハンドの反則でPKと判定した。
ところがVARが介入してオンフィールド・レビューが行われると、大橋主審はノーファウルに判定を変更。PKを取り消して京都GKク・ソンユンへのドロップボールで再開となった。
佐藤マネジャーはこの事象について、VARの介入を含めて適切な判定だったことを示した。「ダイレクション(ボールの進む方向)が明らかに変わっているというのは、手に追加的な動きがなければたとえ手に当たったとしてもハンドにしないという解釈」と説明。J1第4節のヴィッセル神戸対サンフレッチェ広島での類似事例を紹介したほか、アジアサッカー連盟(AFC)や国際サッカー連盟(FIFA)も同じ基準だと述べた。
もっとも「ダイレクションが明らかに変わる」という解釈は主観的な要素もある。そこでJFA審判委員会は「(ボールが)ディフレクト(跳ね返り)しても全体的な流れがゴール方向にまだ向いているときに、大きく体を見せている手に当たった場合は今まで通りハンド」と基準を設定。G大阪の事象は「ゴール前方向に動いているボールがディフレクトしたことによって(タッチライン方向へ)戻ってくる、まさに明らかにダイレクションが変わっている」ため、手の広がりは認めつつもPKに相当しない事象だった。
また、PKを取り消す場合はGKへのドロップボールで再開する運用を行っているため判定変更後の対応も正しかった。ただ正しい判定が下されたとはいえ、PKの笛が吹かれていなければG大阪の攻撃が続くシーン。「やっぱりゲームをコントロールしていくと考えたときに、僕らが目指すものはこれをきちっと現場で自信を持ってノーハンドにすること」と佐藤氏は述べ、「どういったプロセスで手に当たったかというところは見ていく。そこを良いポジションで追求していくことが大事だよねと(審判員研修会で)話をしました」と話した。