劇的逆転弾のG大阪FW宇佐美貴史がわずか2秒間に考えていたこと…「5、6回せめぎ合いがあった」

◇明治安田J1リーグ第33節 G大阪2―1札幌(2024年10月5日 パナスタ)

G大阪FW宇佐美貴史が“天才”と称される一つだろう。後半49分に同点に追いつき、スタジアムのボルテージが最高潮に達している中で生まれた同53分の劇的逆転弾。背番号7はスタジアムの誰よりも冷静だった。

「頭はめちゃくちゃ落ち着いていた。でも心はすごい慌てている感じだった。股抜きまでは良かったけど、そこから打つのか切り返すのかのせめぎ合いがあった。あの瞬間だけで5、6回行ったり来たりして悩んでいた」

山田からパスを受けて札幌DF大崎を股抜きでかわす。エリア内に侵入し、目の前に立ちはだかったのはDF岡村。迷いながらもその対峙する相手を観察し「これはスライディングしてくるなと分かったので“切り返すしかない”と思った」と切り返して右足で強烈にネットを揺らした。

大崎を抜いてから岡村をかわすまで、その間わずか2秒。シュート体制から縦突破に切り替えてゴールを挙げた6月17日の柏戦では「僕自身もひっかかっている。だから相手が分かるわけない」と口にしたこともあったが、思考をフル回転させて正解を見つけ出し、瞬時に正確無比な技術で完遂させる能力はやはり突出している。

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