大成功! 夏の補強で大躍進したJリーグクラブ(2)降格圏→優勝! 昇格1年目で果たした奇跡
8月も終わりに差し掛かり、明治安田Jリーグの夏の補強期間が終了した。シーズン半ばでの補強は後半戦のチームの成績を大きく左右するものとなるが、Jリーグの歴史の中には、夏の補強によってチーム状況が大きく変わり快進撃を見せたクラブがある。今回は夏の的確な補強によって大躍進を遂げたクラブを6つ紹介する。(成績は『transfermarkt』参照)
ガンバ大阪(2014年)
最終順位:1位(19勝6分9敗)
補強期間前順位:16位(4勝3分7敗)
主な夏の補強選手:パトリック
2011年まで黄金期を指揮した西野朗監督が勇退し、新体制となったガンバ大阪は、翌シーズン守備が崩壊しまさかのJ2降格。Jリーグに衝撃が走った。それでも主力の流出はそこまで多くはなく、長谷川健太新監督のもと1年でJ1昇格を果たした。
長谷川体制2年目となった2014年は、序盤にエースの宇佐美貴史が離脱したことで、得点力不足に悩まされ、ワールドカップによる中断期間前は降格圏の16位に沈んでしまっていた。ガンバはこの中断期間で川崎フロンターレやヴァンフォーレ甲府で好成績を残していたパトリックを補強し、得点力不足の解消を試みた。パトリックは期待に応え、9ゴール5アシストと活躍。パトリック加入の相乗効果か、宇佐美も後半戦は9ゴール9アシストと爆発した。
リーグ2位タイとなるシーズン31失点と改善された守備陣に、パトリックと宇佐美を擁する攻撃陣が噛み合い、後半戦は15勝3分2敗と圧巻の強さを見せた。首位・浦和レッズと最大14離れていた勝ち点は見るみるうちに縮まり、第33節終了時にシーズン初の首位に浮上。続く最終節はドローに終わったものの、ライバルクラブが軒並み敗れリーグ優勝を決めた。
この年のガンバは天皇杯、ナビスコカップも制覇し、国内三冠を達成。天皇杯では宇佐美、ナビスコカップではパトリックがそれぞれ2得点を挙げ、この年のガンバを象徴する結果となった。J1昇格1年目のクラブとして初の国内三冠を達成したこのシーズンは、まさに奇跡のシーズンといえる。